現在位置:
  1. asahi.com
  2. エンタメ
  3. 舞台
  4. 歌舞伎
  5. 記事

古典歌舞伎、実は人気の「BL」 染五郎、美しい男同士の世界を復活

2010年2月20日

写真拡大ボーイズラブを表現したいという市川染五郎=鈴木好之撮影

 男性同士の恋愛を主題にした歌舞伎「染模様恩愛(そめもようちゅうぎの)御書(ごしゅいん)」が3月6日から、東京・日比谷の日生劇場で上演される。市川染五郎と片岡愛之助が、うっとりするような男性間の恋模様を見せる。

 細川家の奉公人、大川友右衛門(染五郎)は同家の小姓、印南数馬(愛之助)と衆道の契りを交わす。

 細川侯は2人の関係を許し、友右衛門を武士に取り立てる。数馬の敵討ちに端を発して起きた火災の中、友右衛門は主君への恩義から、割腹した腹に家宝を押し込んで守ろうとする。

 原作は三代目河竹新七で、通称「細川の血達磨(ちだるま)」。江戸時代の1712年に初演され、明治になって男色への風当たりが強まり途絶えた。

 だがここ数年、美形の男性同士の恋を「ボーイズラブ」としてもてはやす風潮が若い女性の間で広まった。これを受ける形で2006年に大阪松竹座で復活上演された。

 「ボーイズラブは、女性が楽しむもの。美しさがないと成立しない。美しさは歌舞伎の得意技だ」と染五郎。

 武士の世界には、男色は珍しくなかったといわれる。今作は忠義と衆道を両立させるような筋立てだ。

 「観客にはむしろ、特殊な感じとひっかかって見ていただきたい。そこにボーイズラブらしさが出るのでは」

 ボーイズラブは不思議な感情だ。女性は、男性同士で完結した世界をめでるだけで、その世界に入ることは拒まれる。「目指すのは、女性客が拒絶されていると思いつつも、あこがれるような舞台」

 26日まで。今井豊茂脚本、奈河彰輔演出。市川猿弥、市川春猿らも出演。4200〜1万2600円。電話03・5565・6000(松竹)。(米原範彦)

検索フォーム
キーワード:


朝日新聞購読のご案内