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切場語り披露「父への土産に」 豊竹咲大夫が意欲

2009年4月17日

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写真切場語りになった豊竹咲大夫

 文楽大夫の豊竹咲大夫(とよたけ・さきたゆう)が大夫の最高位「切場語(きりばがた)り」に昇格、5月9日に東京・三宅坂の国立劇場で始まる文楽公演に出演する。「文楽に志した人として一つの目標に到達できた」と語る。

 「亡き父(八代目竹本綱大夫)へのよい土産になるが、責任は重い」。咲大夫は53年に豊竹山城少掾(やましろのしょうじょう)に入門。山城少掾の没後は父に師事した。「ここまで父のDNAに導かれてきたように思う」。咲大夫の声質は上方言葉で濃厚につづられた雅俗折衷の浄瑠璃にかなう。「『熊谷陣屋(くまがいじんや)』や近松物が好き」という。

 切場の原義は劇が詰まった重要場面のことで、心理描写にたけ、芸格の高い大夫だけが切場語りを名乗れる。切場語りが登場する場合、黒衣は「とうざいー、ただいまの切」と口上を述べる。語りの最中、はかま姿の「白湯(さゆ)くみ」が大夫の右側床下に控える。現在ではほかに竹本住大夫(すみたゆう)、当代竹本綱大夫、豊竹嶋大夫(しまたゆう)の3人しかいない。

 咲大夫が今回語るのは「日高川入相花王(ひだかがわいりあいざくら)」の真那古庄司(まなごのしょうじ)館(やかた)の段で、三味線は鶴澤燕三(えんざ)。「情愛と静のすごみが表現できれば」と話す。

 「古典の再構築、折口信夫原作の文楽『死者の書』の上演など取り組みたいことはたくさんある。芸は一代だが、父がやり残したものは何かを考えながら、文楽に一生をささげたい」

 24日まで。住大夫、綱大夫、嶋大夫、鶴澤清治(せいじ)らが出演。ほかに演目は「伊勢音頭(いせおんど)恋寝刃(こいのねたば)」「ひらかな盛衰記(せいすいき)」など。2部制で各1500〜6500円。(米原範彦)

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