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ツイッター落語の妙味 「芸協の逆襲 鯉枝を押し上げ育む会」

2010年5月26日

写真拡大独特の話芸がおかしい春風亭鯉枝=御堂義乗氏撮影

 若手や中堅の活躍がめざましく、昇進やら襲名やら何かと話題の多い落語界にあって、落語芸術協会(芸協)は実力派がそろうわりには地味な印象がぬぐえない。だが、最近の落語会にありがちな妙な緊張感がなく、ほんわかとした後味を楽しめるのが芸協の落語会の魅力だ。

 この日は真打ちに昇進してちょうど1年の春風亭鯉枝(こいし)(41)がトリを含む2席をつとめる趣向。師匠の瀧川鯉昇(りしょう)や昔昔亭桃太郎、桂平治がまわりを固めた(21日、東京・日本橋社会教育会館)。

 鯉枝は落語らしいしぐさがほとんどなく、愛想もない。演出も「間」も関係なしに、ただボソボソと独り言のようにつぶやくだけ。いわばツイッター落語だ。

 ところがこれが妙におかしい。おかしさのパターンがわかるにつれて、客席のくすくす笑いがだんだん大きくなる、そんな話芸。大師匠・五代目春風亭柳昇を思い起こさせる口調だ。

 1席目は自作の「実践自動車教習所」。警官あがりの指導員の破天荒な教えぶりで笑わせる。トリネタも自作の「お上りさん」。東京見物に来た青年が、上京して4年の同郷の友人の案内で上野や新宿を歩き、回転ずしに入り、カプセルホテルに泊まる。喫茶店やエスカレーター、地下鉄での青年の冷静なセリフで笑わせながら、ふと鋭い文明批評のにおいさえ漂わせる。

 鯉枝は本名渡利(わたり)哲也(てつや)。なかなかの役者だ。

 鯉昇は「ちりとてちん」で笑わせどころをきっちりと押さえた。桃太郎はただただ馬鹿馬鹿しい「金満家族」で爆笑を誘う。あまり声を張り上げない2人の後には平治がくすぐりたっぷりの「源平盛衰記 木曽義仲」を大声で熱演。トリの鯉枝の独自の芸の前に、ベテラン勢がいい下地を作った。(篠崎弘)

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