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ステージレビュー

苦悩と絶望の中からつかみとった愛 「アイーダ」開幕

2009年8月31日

  • 筆者:中本千晶

写真拡大The Musical「AIDA アイーダ」より=撮影・岩村美佳

 29日に東京国際フォーラム(ホールC)にて初日を迎えた The Musical「AIDA アイーダ」。2003年に宝塚星組が上演して好評を博した「王家に捧ぐ歌」をリメイクし、エジプトで囚われの身となっているエチオピア王女アイーダを中心に、敵国の娘アイーダに心惹かれるエジプトの勇士ラダメス、そのラダメスに想いを寄せるエジプトの王女アムネリスの三人の心模様をよりシャープにとらえる舞台となった。

 宝塚版ではトップスター湖月わたるがラダメスを、安蘭けいがアイーダを演じたが、今回はその安蘭が、宝塚退団後の初舞台として、アイーダ役に挑戦する。稽古を通じて「愛するとはどういうことかを深く考えさせられた」という安蘭は、その言葉のとおり、ラダメスを愛するひとりの女としてのアイーダを情熱的に表現した。

 ストーリーはおおむね宝塚版を踏襲するが、新たに加わったアイーダのナンバーが、ともにアイーダの心の揺れを掘り下げており、聴きどころだ。

 ひとつは1幕のラスト、ラダメスが愛する女性のためにエチオピアの解放を成し遂げた喜びを歌う場面。今回は、ここにアイーダのナンバーがかぶり、ラダメスへより激しく惹かれていく悦びと、敵国の勇者を愛してしまった哀しみの両面を歌い上げる。

 荒廃した祖国エチオピアでひとり立ち尽くすアイーダが歌うのが、もうひとつの新ナンバー「私は愛する」だ。すべてを失ったアイーダが、絶望のなかから「愛する」ことの本当の意味をようやく見つけ出すまでを、この一曲で丁寧に描く。この舞台一番の見せ場といっていいだろう。

 ラダメス役を演じた伊礼彼方は、端整なマスクに引き締まった肉体で、ギリシャ彫刻を思わせる美しさ。アイーダを包み込む熱情とエジプト将軍としての品格をバランスよくみせて、アイーダ役の安蘭の「相手役」として上々の出来。アムネリス役のANZAは、誇り高き王女としてのふるまいのなかに、女としての哀しみを滲ませていた。

 (このページには中本さんの劇評の一部を掲載しています)

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◆The Musical「AIDA アイーダ」(宝塚歌劇「王家に捧ぐ歌」より)

《東京公演》2009年8月29日(土)〜9月13日(日)、東京国際フォーラム・ホールC
《大阪公演》2009年9月18日(金)〜10月4日(日)、梅田芸術劇場・メインホール
出演:安蘭けい/伊礼彼方、ANZA/光枝明彦、沢木順、宮川浩、林アキラ/ほか
脚本・演出:木村信司(宝塚歌劇団)
作曲・編曲・音楽監督:甲斐正人
詳しくは、The Musical「AIDA アイーダ」公式サイトへ


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