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ステージレビュー

鮮烈によみがえったトートに歓声、安蘭けい初コンサート

2009年12月19日

  • 文・写真:岩村美佳

写真安蘭けいファーストコンサート「UNO」より=撮影・岩村美佳

写真安蘭けいファーストコンサート「UNO」より=撮影・岩村美佳

写真安蘭けいファーストコンサート「UNO」より=撮影・岩村美佳

 元宝塚星組トップ男役で女優の安蘭けいのファーストコンサート「UNO」が、12月16日から東京国際フォーラムホールCで始まった。「UNO」とはスペイン語の「1」。初めてのコンサートにちなんで付けたタイトルだ。安蘭は、緩急自在の歌声で様々なジャンルの歌を見事に歌い分け、14着の衣装を着こなした。曲は男性のものも多いが、女の姿で男の曲を歌う。演出の三木章雄はこのコンサートで男でも女でも女優でもない「安蘭けい」自身の魅力を伝えたいと言う。ステージの上には、肩書きを超えた、魅力あふれるひとりの人間としての安蘭けいが立っていた。

 コンサートは8つのシーンで構成され、第1部が「プロローグ」「私の好きな歌」「タイムレス・ヒロインズ」「ア・ラ・スパニッシュ」の4つ、第2部が「宝塚の歌」「スタンドアップ」「『RENT』へのオマージュ」「フィナーレ」の4つとなっている。

 プロローグでは、宝塚での思い出の曲を繋いだ「Overture」が流れた後、安蘭の影が浮かんだ。曲は「The Rose」。ベット・ミドラーの名曲で、安蘭は宝塚バウホール初主演公演「ICARUS」で歌っている。続いてラテン調のアップテンポな曲が続き、共演の女性コーラス、男性ダンサー達と共に歌い踊る。

 続くシーンは「私の好きな歌」。「El Cumbanchero」は宝塚での安蘭の代名詞ともいえる曲だ。「From A Distance」は透明感のある声でやさしく愛を、「When A Man Loves A Woman」ではミニドレスの上に羽織っていた上着を肩に引っかけ、低音を響かせ情熱的に男の愛を歌う。男と女がMIXする新しい表現だ。「DREAMER」では客席に降り、柔らかな笑顔を向けながら歌いかける。

 そして「タイムレス・ヒロインズ」では、シャンソン「J'ai Deux Amours」をキュートにコケティッシュに新たな魅力を振りまく。現代のフランス人形のような衣装が可愛い。マドンナが歌った「I Wanna Be Loved By You」はセクシーに。一転してジャズナンバー「Round About Midnight」。男性と絡んで踊る安蘭には大人の女の色香が匂い立つ。

 一部のラストは「ア・ラ・スパニッシュ」。白いパンツスーツにソフト帽姿で「Un Amor」等スパニッシュの曲にあわせ歌い踊る姿はかつての男役を思い出す。

 二部は宝塚時代の曲から始まった。宝塚時代の思い出の曲の数々。タイトル「UNO」にちなんで初めてのバウホール主演「ICARUS」より「失くした翼」や、トップお披露目公演「シークレットハンター」から「Eres Mi Amor」等を歌った。その中でも特に「エリザベート」の「最後のダンス」が秀逸。安蘭は宝塚で公演中に一度限り行われる新人公演でトートを演じたが、その完成度の高さは今や伝説となっている。一度生で聞いてみたいと思っていた観客も少なくないだろう。黄泉の世界へ引きずり込む低音の響き、全てを破壊して我が物とするかのようなシャウト、圧倒的なパワーで鮮烈に蘇った安蘭トートに会場中から割れんばかりの拍手と歓声があがった。

 次は「スタンドアップ」。このショーの為に書き下ろされたナンバー「Uno,Dos,Tres」を全員でエネルギッシュに歌う。途中、観客を立たせ、振付けをする「とうこ(安蘭の愛称)先生」。笑いに溢れた楽しい場面となった。そして「One Medley」。

 次に安蘭が大好きなミュージカルにあげる「RENT」から「『RENT』へのオマージュ」と題し「One Song Glory」など三曲を歌い、演じた。衣装などRENTの世界をそのままに表現し、一気に引き込まれる。安蘭は主要な役であるロジャー(男性)やミミ(女性)等を瞬時に切り替えて演じ、歌う。

 フィナーレではアルゼンチン・タンゴの名曲「Uno」。続いて退団公演「アビヤント」フィナーレでも使われた「そして今は」。宝塚ではボレロを黒燕尾で踊る姿が印象的だったが、コンサートではブロンドのロングヘアにドレス姿。曲もシンセサイザーが加わりスタンダードなボレロとはまた違ったアレンジが新鮮だ。

 安蘭は「初のソロコンサートで宝塚時代には叶わなかったことを、退団して一年経たないうちにできることを大変嬉しく思います。宝塚時代から応援してくださっているファンの方には特に喜んでいただけるショーになっていると思います。男役の“安蘭けい”を懐かしんだり、新しい“安蘭けい”を発見して頂いたりして、今の“安蘭けい”を一緒に感じて頂ければと思います」とのコメントを発表した。

 懐かしい宝塚の曲から新しい挑戦と言える数々のナンバー、「男役」を彷彿とさせる姿から「女優」と呼ぶにふさわしいドレス姿まで。そして、艶やかな深い歌声は、さらに磨きがかかり、安蘭のこれからの可能性を期待させるコンサートになっていた。

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 「UNO」稽古場でのインタビュー全文を「スター★ファイル」コーナーに「宝塚退団後初コンサートへ 安蘭けい稽古場インタビュー」として掲載しました。スター★ファイルを読むにはアサヒ・コム プレミアム・ベーシックパック(月額525円)の購読が必要です。

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◆安蘭けい ファーストコンサート「UNO」

《東京公演》2009年12月16日(水)〜12月20日(日)、東京国際フォーラムホールC
《大阪公演》2009年12月23日(水)〜12月25日(金)、梅田芸術劇場メインホール
出演:安蘭けい
構成・演出:三木章雄
詳しくは、梅田芸術劇場の公式サイトへ


 (関連リンク:安蘭けい公式ファンクラブ Aran HP


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