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一路と瀬奈が演じる運命の出会い「アンナ・カレーニナ」

2010年11月20日

  • 文・写真:岩村美佳
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写真:「アンナ・カレーニナ」製作発表より=撮影・岩村美佳拡大「アンナ・カレーニナ」製作発表より=撮影・岩村美佳

写真:「アンナ・カレーニナ」製作発表より=撮影・岩村美佳拡大「アンナ・カレーニナ」製作発表より=撮影・岩村美佳

 ミュージカル「アンナ・カレーニナ」製作発表が、11月11日に新橋第一ホテルにて行われた。主役アンナ・カレーニナを演じるのは、初演でアンナを演じ、今作が4年ぶりの本格的な舞台復帰作となる一路真輝、2009年12月に宝塚歌劇団退団後「エリザベート」でタイトルロールを演じ、女優として始動した瀬奈じゅんのダブルキャストだ。アンナと運命的な恋に落ちる若き陸軍士官ヴロンスキー役には、「エリザベート」ルドルフ役、「The Musical AIDA」ラダメス役などで活躍する伊礼彼方。アンナの義理の妹キティの求婚者レイヴィン役に葛山信吾、アンナの兄スティーバに山西惇、アンナの義理の妹キティ・アレクサンドロヴィーナに宝塚元娘役トップの遠野あすか、ヴロンスキーの従妹プリンセス・ベッツィに春風ひとみ、アンナの夫ニコライ・カレーニンには山路和弘。製作発表には一路、瀬奈、伊礼、山路、演出の鈴木裕美が登壇した。

 小説「アンナ・カレーニナ」は、ロシアの文豪トルストイにより1873年に発表された作品。貴族社会における不倫の愛を描いたこの作品は、かなりのセンセーショナルなものとして人々の注目を集めた。1992年にはブロードウェイ・ミュージカルが初上演され、翌年のトニー賞では4部門にノミネートされるなど高い評価を受けている。日本では2006年に一路が主演。ヴロンスキー役は井上芳雄が演じた。修辞・訳詞は「エリザベート」「モーツァルト!」など大ヒットミュージカルを手掛けている小池修一郎が、演出には様々なジャンルで活躍する自転車キンクリーツカンパニーの鈴木が行う。

 一路は「4年ぶりのミュージカル出演ということで、『アンナ・カレーニナ』の製作発表というよりは、女優復帰会見のような気持ちで大変緊張しております。初演が終わったとき、もうミュージカルの世界には戻ってこないかもしれないと思っていました。今回またできるということが何よりの喜びです」と挨拶。ミュージカル復帰の理由を「娘が3才になりまして、家でポロポロっと童謡などを歌っていましたら『ママは歌っているときすごく楽しそうだね』と言ってくれたのがきっかけで3月にコンサートをさせて頂きました。あまりの緊張でミュージカルに戻る自信なんて本当になかったのですが、少しづつミュージカルの曲に触れていくうちに、やはりそういう場所にいたいという気持ちが強くなりまして、家族の後押しもあり、やらせて頂けることになりました」と話した。

 また、子供が出来てから取り組むのは初演と少し違うと話す。「今年に入って、自殺をする前に歌う「Seryozha(セリョージャ)」という曲をあるコンサートで歌ったときに、リハーサルで涙が止まらなくなってしまったんです。でも、役者は実生活で何があっても、変わっても役としての捉え方に冷静でいなければいけないということを学びました。私に子供がいたら絶対に出来ないことをアンナはしているので、そこに自分を投影しながら演じるというのはすごく難しいです。今回ある意味色んな角度から、子供が出来たから子供がいる役が出来るとかそういう単純ではない何かをちょっと感じていて、自分が変わったからアンナも変わるのではなく、真正面から役に入っていけたらという思いでいます」と新たな心境を話した。

 瀬奈は「とてもシリアスな作品で、情緒的に、心理的にやりがいのある作品で新しい挑戦だと思っています。エリザベート、アンナ・カレーニナだけでなく、宝塚時代もスカーレット、大海人皇子、トートなど一路さんがされた役をさせて頂く機会が多く、勝手にご縁を感じています」という。「先日『エリザベート』の舞台稽古を一路さんが見にいらして、終わったあとに私の手をマッサージしながら話をしてくださいました。『私この人の子供になりたい』と思ったんですけれど(笑)。そういう一路さんの母性というものを近くで学ばせて頂くいい機会だと思っているので、たくさん吸収したいと思っています。私は初演のDVDをみせて頂きましたが、たくさん曲があるわりにはストレートプレイのような、芝居要素の濃い、リアルな作品だなと感じました。エリザベートではほとんどセリフを喋っていないので、女優になって女性としてセリフを喋るのは、すごく苦労をすると思うんです。皆様に助けて頂きながら、基本的なことを着実にまじめに取り組んでいきたい」と今の思いを話した。

 伊礼は「このお話を頂いたときは、『まさか!』と信じられない気持ちでしたが、仕上がったチラシを見て実感が湧いてきました。わくわくドキドキしています。貞淑な人妻アンナが惚れるほどのいい男だそうです。どこまでその説得力を出していけるかわかりませんが、皆様のお力を借りて頑張っていきたいと思います」と話す。山路は伊礼の扮装姿が外国人のようなのに、自分は鹿鳴館だと笑い、「カレーニンは小説を読むと神経質な嫌な男というイメージがあるんですけれど、まずは明治時代の空気を外国人の匂いにしていきたいと思います(笑)」と会場をなごます。演出の鈴木は「あらたにゼロから作っていきたい」と話す。

 運命の恋がテーマともいえる作品にちなんで、それぞれの運命の出会いについて聞かれると、エリザベートとアンナをともに演じる一路と瀬奈はお互いに運命を感じるという。そしてふたつの役の共通点を『逃避』と語る。一路は「私たちには考えられない、あの時代の女性の抑圧された部分というか、そういう背景があってのこの物語があるから、小説、映画、舞台と今まで続いてきているんだと思います。ただの不倫の話であったらこんなに語り継がれていかないのではないかなというところを大事に、いかにお客様に時代背景、その時代に生きた女性の葛藤をお見せできれば」、瀬奈は「時代背景が違うだけで、現代の女性と考えること、求めることというのは変わらないんじゃないかと思います。やはり、背景が背景だけにドラマティックになっていると思うので、そこのところを今の女性に受け入れて頂けるように演じていけたら」と話した。

 運命の出会いについて、伊礼はこんな発言も。「結局その運命の人に辿りつくまで、ヴロンスキー風に言えば過ちを繰り返していくわけなんですが…。過ちっていう言葉は女性に対して非常に失礼だと思いますね。だからその都度その都度、運命だと思って僕は今までつきあってきました(会場爆笑)」。「何を告白してるんでしょう」と苦笑する伊礼。

 続いて瀬奈と伊礼によるデュエット「Waiting for You(待ち焦がれて)」、一路による「Seryozha(セリョージャ)」が披露された。前作「エリザベート」では親子を演じた瀬奈と伊礼。「その時には与えられなかった愛情を与えたい」という瀬奈と、「いくらすがった目をみせても愛情を頂けなかったので、この作品では愛情をいっぱい頂きたい」という伊礼。舞台上では止めらない運命の恋心をすでに通わせていた。そして凛とした姿でステージに立つ一路は、一瞬のうちにアンナ・カレーニナの世界を作る。息子を思い歌う一路アンナの姿に涙をこぼす人も少なくなかった。12月の初日へ向けて早くも期待が高まる。

◆ミュージカル「アンナ・カレーニナ」

《東京公演》2010年12月25日(土)〜2011年2月6日(日)、シアタークリエ
《新潟公演》2011年2月11日(金・祝)、新潟市民芸術文化会館(りゅーとぴあ)・劇場
《兵庫公演》2011年2月18日(金)〜20日(日)、兵庫県立芸術文化センター 阪急 中ホール
《名古屋公演》2011年2月26日(土)〜28日(月)、中日劇場
《大阪公演》2011年3月2日(水)〜3日(木)、梅田芸術劇場 シアター・ドラマシティ
詳しくは、公式サイトへ

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