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芝居風に 劇団☆新感線が「港町純情オセロ」製作発表

2011年2月24日

  • 文・写真:岩村美佳
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写真:劇団☆新感線プロデュース「港町純情オセロ」より=写真・岩村美佳拡大劇団☆新感線プロデュース「港町純情オセロ」より=写真・岩村美佳

 劇団☆新感線の次回作「港町純情オセロ」の製作発表が行われた。シェイクスピアの4大悲劇のひとつ「オセロ」を、戦前の関西らしき場所にある港町を舞台に置き換え、混沌とした時代を背景にチンピラヤクザたちの人情悲喜劇を繰り広げる。

 「ようこそ。蒼海倶楽部へ。わたくし三ノ宮わたるが経営する、キャバレーでございます。このキャバレーでは、この界隈を牛耳っているヤクザ達の集会が行われます。皆さんどうぞあまり緊張なさらずにお待ちくださいませ」という粟根まことのちょっとした芝居で始まった製作発表。物語の時代背景と同じく昭和初期に創業した銀座の老舗キャバレー「白いばら」を、劇中で粟根が経営する「蒼海倶楽部」と模して製作発表を行うという遊び心。さすが新感線だ。キャバレー舞台横の階段上から扮装した出演者が登場した。

 演出は座長のいのうえひでのり。脚色は劇団☆新感線とは2度目のタッグとなる青木豪。いのうえは「シェイクスピア作品をわかりやすく日本に翻案して、敷居を低くして日本人に合ったものに作り替えることが僕の使命だとわかりました。シェイクスピアはおもしろいですが、文化的、宗教的にわかりにくいところがあります。『港町純情オセロ』は吉本風オセロ、人情喜劇です」と話した。青木は「いのうえさんとの仕事は『おもいっきり遊んじゃっていいよ』という安心感のもと楽しく書かせて頂いています」という。主演は、劇団☆新感線の看板俳優、橋本じゅん。いのうえが「じゅんにはオセロが似合う、いつかじゅんでオセロを」と兼ねてから上演をもくろんでいたそうだ。「僕だけ加工されて並ばせて頂きました」と笑う橋本。原作のオセローはムーア人で黒人。ということで…日本人とブラジル人のハーフ「蘭牟田オセロ」を演じる橋本は黒い加工をされている。「生き生きとした人間像の中で、深く骨格が、悲劇として最後は描かれていくということで、柔らかい気持ちでどんと飛び込もうと思っています。これをきっかけにシェイクスピアの世界に僕もお客さんも入っていけたらいいなと思います」と話した。共演は、石原さとみ、大東俊介、松本まりか、伊礼彼方、田中哲司。さらに粟根ら新感線の劇団員らももちろん加わり、和製シェイクスピアが誕生する。

 ホリプロスカウトキャラバン最終審査でいのうえが演技指導を担当した年にグランプリを受賞したという縁の深い石原。感慨深いものがあるという石原は「初めてキャバレーに入りました(笑)。メイク部屋の天井に『ホステスの心得』という十箇条が書かれてあって、人としても女性としてもとても勉強になる言葉がたくさん書かれていました。この作品に携わるスタートが学べて良かったと思います」と話した。そして、新感線の大ファンだという大東は「シェイクスピアの悲劇の世界が新感線の手にかかるとどうなるのかなと思いましたが、台本を読んだら『せつなさ』と『おもしろさ』の絶妙なバランスでした。原作には登場しないゲイの役を演じます」という。伊礼は「僕にとっては夢の舞台でずっと客席から見ていました。いつか出れたらいいなと思っていましたが、こんなチャンスが来るとは思っていませんでした。いのうえさんの色に染まりたいと思っています。新感線の舞台の歯車のひとつになって演じきります」と言い切る。田中哲司は「役者をやっている人は皆、新感線のことが大好きだと思います」といい、「オセローのイアーゴをやらせて頂きます。通称『ミミナシ』と言い片耳がないんですが、何か深い解釈があるのかと聞いた所、『イヤーがGOしちゃったから』と…。そのときから、新感線に出るんだ! と自覚を持ちました」と笑う。これを聞いた会場は爆笑。松本まりかは「ずっと我慢して生きてきた女の人の象徴のような感じだと思っています。達観したところがあり、強いです。自分の人生勉強としてもこの役を通して生きていければと思っています。」と抱負を語った。

 夫婦役を演じる橋本と石原。「夫婦の会話がすごく面白くて、ずっといちゃいちゃしている感じですよね」と石原。「この舞台でオセロのことを好きでいつづけるのが楽しみ。台本を読んで、オセロが波瀾万丈な人生を生きて、色々乗り越えてきて、常にほらを吹くような、ちょっとミステリアスな感じも、本当に魅力的な男性です」とぞっこんだ。橋本は「台本に書かれていることなのでいちゃいちゃやります。すみません」と答えた。

 今作は、松岡和子翻訳版「オセロー」を原作としている。松岡は脚色された脚本を読んで、「あっと驚くオセローになっています。シェイクスピアの英語から翻訳した日本語が関西弁に翻訳されているという面白さを味わいました。とんでもなくバカバカしい改編がなされていてたりして、シェイクスピアもびっくりじゃないかと。新感線ならではの遊び心を楽しんで頂ける『爆笑悲劇』です」と太鼓判を押した。

 「敷居の低いシェイクスピアでわかりやすいと思います。悲劇ですが、そこに愛情や友情がきちんとあって暖かい作品です」という橋本。「新感線とシェイクスピアの融合がまず最初に気になりました。リアルにオセロは黒いんだ!などかなり近いところをトレースしている中、新感線的な融合の仕方、新たで太い、これぞというシェイクスピアを皆で作るのを楽しみにしています」と締めくくった。

◆劇団☆新感線「港町純情オセロ」

《大阪公演》2011年4月15日(金)〜22日(金)、イオン化粧品 シアターBRAVA!
《東京公演》2011年4月30日(土)〜5月15日(日)、赤坂ACTシアター
詳しくは、公式サイトへ

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