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劇団☆新感線の「髑髏城」 若手を起用し4度目の上演へ

2011年8月2日

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写真:「髑髏城の七人」製作発表より=撮影・岩村美佳拡大「髑髏城の七人」製作発表より=撮影・岩村美佳

写真:「髑髏城の七人」製作発表より=撮影・岩村美佳拡大「髑髏城の七人」製作発表より=撮影・岩村美佳

 今夏の話題作、劇団☆新感線「髑髏城の七人」がまもなく開幕する。小栗旬ら注目のキャストが揃って先月行われた、製作発表を中心に紹介する。1990年の初演から7年ごとに上演されている作品で、今回が4度目の上演となる。(フリーライター 岩村美佳)

 劇団座長で演出のいのうえひでのりは「中でも1997年に上演した作品が、『いのうえ歌舞伎』の原型になった」という。いのうえ歌舞伎とは、神話や史実をモチーフとし、ケレン味を効かせた時代活劇シリーズ。近年では、その持ち味に加えドラマ性に重きをおき、人間の業を浮き彫りにした作品へ転化している。「舞台でアニメや漫画みたいなことをやろうと思い作った作品ですが、劇団員の年齢があがるにつれ肉体的に厳しくなってきました。2004年版の古田新太が主役を演じた『アカドクロ』と、歌舞伎役者の市川染五郎さんが主役を演じた『アオドクロ』で、一応の区切りをつけましたが、もう一度、若者が揃って前向きに頑張るという話をやりたいという気持ちになり、キャストを一新しました。若者の葛藤や絶望からの再生を、青春ドラマとしてもう一度立ち上げられるんじゃないかと楽しみにしています」と上演への経緯を話した。

 従来、主人公の「捨之助」と相対する「天魔王」を同じ役者が演じてきたが、今回は捨之助を小栗旬が、天魔王を森山未来がそれぞれ演じる。劇団座付作家の中島かずきは、「若い人達でやりたいという話から始まりました。小栗さんの捨之助、森山さんの天魔王という構想が浮かんだところから、新しく出来ると本もかなり書きなおしました。今までのなかで、一番人間臭い人達が出てきます。それぞれの思いを持ちながら、ドラマとしてぶつかり合いながら展開していくことが、逆に今まで2役でやっていた捨之助と天魔王を2人の役に分けたことで体現出来ていると思います。より人間臭い捨之助になっていると思います」と話した。熱血アクション活劇からスタートした作品がよりリアルな作品になるようだ。いのうえは「小栗くんは兄貴肌のところもあり非常に熱い男でクールな佇まいがある。未来もまた熱い男でその熱さを激しくぶつけるところがある。その対比がキャラクターとすごく合うような気がしていけるんじゃないかと確信しました」と信頼を寄せる。

 小栗は、「以前から劇団☆新感線の舞台には一度参加させて頂きたいなと思っていたので、こういうお話を頂けて大変光栄に思っています。新感線の中でも相当人気のある作品なので、期待しているお客様を裏切らないよう、若い皆でエネルギーある舞台をつくれたらいいなと思っています」と意気込みを話した。森山は、「劇団☆新感線は今回で3作目になります。本当に素敵な舞台に何回も参加させて頂いて、光栄に思っています。しかし…劇団内を覗いてみると、半分以上が痛風持ちだったり、かたやヘルニアで倒れたり、路上でキスをなさっていたりとか(笑)。そうそうたる先輩方には退いて頂いて、今回若いメンバーで先輩方の胸を借りて、良くも悪くも若いエネルギーで突っ走れたらいいなと思います」という。共演が初めてという小栗と森山だが、時々酒の席では一緒になっていたそうだ。小栗は酒の席で森山の話を聞いて「相当ストイックな人だなと思ったので、稽古が始まったら怒られることが色々あるんだろうなと。一番の不安はそこですね。森山未来に怒られるんじゃないか(笑)」と笑う。森山は「恐いとか言わないでくださいよ(笑)。コミュニケーションはしていきたいですけれど」と戸惑う。

 蘭兵衛役の早乙女太一は、「劇団☆新感線の舞台を初めて見させて頂いたのが髑髏城だったので、まさか自分がその作品に出させて頂けるとは思っていなくて、光栄に嬉しく思っています」と話した。前回出演の「蛮幽鬼」でもしなやかで美しい殺陣を披露し、客席のため息を集めていたが、今回も期待される。「新感線の殺陣は複雑で難しいですが、楽しいです」と喜んでいた。極楽太夫を演じる小池栄子は「私も一観客として、劇団☆新感線の作品が好きで見させて頂いていたので、出演が決まって緊張とともにとても嬉しく思っています。若者達という話が出ていますが、私はギリギリ滑り込みセーフかなという年齢なんですけれど(笑)。パワフルなアクションもあるみたいなので、一生懸命付いていこうと思っています。遊女役なので色っぽい女が演じられたらと思っています」と話し、艶やかで快活な遊女役への抱負を話した。

 劇団☆新感線出演が3回目の勝地涼は、今キャストの中で一番の新感線ベテラン。兵庫役を演じる。「7年前の『アカドクロ』を観客として初めて見せて頂きました。殺陣もあり笑いもあり、いつか本当にこういう舞台に立ちたいなと思っていたので、今回やらせて頂くことを本当に幸せに思っています。自分は参加させて頂くのが3回目なんですけれど、今まで殺陣が全くなく、ようやく出来るということなので頑張りたいと思っています。兵庫は、橋本じゅんさんだったり、大先輩方がやっていた役なので、ちょっとプレッシャーはありますけれど、自分なりの兵庫が出来たらいいなと思っています」と話した。一緒にランニングをすることがあるという小栗と勝地。「勝地はほんとにスタミナがなくて。若いんだからちゃんとしろよ」という小栗。勝地の役は殺陣よりもボディアクションが多く一番体力を使うそうだ。「キックボクシングをやっているというから期待したのに…。体力勝負の作品なのに一番体力がない」とクレーム。勝地は「すみません。仕上げます!」と焦り、「小栗道場が開かれて、腹筋を300回くらいやったんですけどついていけませんでした」と恐縮しきりだった。

 沙霧役の仲里依紗は初舞台に挑戦する。「今回初舞台でこんなに大きい舞台に立たせてもらうことが出来て、すごく嬉しいのと緊張しています。劇団☆新感線の舞台は演じる方の個性が必要なんだろうと思いました。ベテランの方々の足を引っ張らないように、頑張りたいと思うので宜しくお願いします」と終始緊張の様子だった。劇団の看板女優の高田聖子は過去に沙霧と極楽太夫を演じている。「髑髏城」4回目の出演となる今作では贋鉄斎を演じる。今までは男性が演じていた役だ。「今までは半裸のような状態で、獣のような人が演じていたんですが…(笑)。成立するように頑張ります」と少し戸惑った様子。「御覧のとおり、娘息子みたいなキャストの皆さんと一緒にやるわけで、初演から出演はさせて頂いているんですけれども、先程お話にあったとおり劇団員も年を取り始めまして、活劇の中にどう生きていくかというのが難しくなってきました。皆さんのおかあちゃんみたいな感じで参加できればいいんじゃないかと思っています。あとは体力だけなんとか温存してがんばっていきたいと思います」と話した。

 劇団を代表する作品に育った「髑髏城の七人」だが、原点にこんなエピソードがある。「古田の罰ゲームですね。この作品を書く前の芝居で、古田が出損なったんです。それで怒って舞台から一回も引っ込まない役を作ってやると2役を書きました。古田が自分の出番なのに楽屋でタバコを吸っていたのが髑髏城の始まりですね」と中島。新感線らしい、ならではの原点である。いのうえは「いのうえ歌舞伎を始めて3本目くらいの初期の作品なんですが、集団時代劇みたいなことをやりたいと話したのを覚えています」と当時を振り返る。「何とかの七人」、「何とか城」がいいね。画数が多いのがいいね。言葉遊びのように生まれたタイトル「髑髏城の七人」。若い実力者達によって新たに生まれる今作が待ち遠しい。

◆劇団☆新感線2011年夏興行 いのうえ歌舞伎「髑髏城の七人」

《大阪公演》2011年8月7日(日)〜2011年8月24日(水)、梅田芸術劇場メインホール

《東京公演》2011年9月5日(月)〜2011年10月10日(月・祝)、青山劇場

詳しくはいのうえ歌舞伎「髑髏城の七人」公式サイトへ

《筆者プロフィール》岩村美佳 フリーフォトグラファー、フリーライター。舞台関係、ファッションなどを中心に撮影してきた経験をいかし、ライターとしても活動している。「目に浮かぶ言葉」を伝えていきたい。


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