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インタビュー

シェイクスピア歴35年、アントニー役の吉田鋼太郎に聞く

2011年10月5日

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写真:「アントニーとクレオパトラ」に出演する吉田鋼太郎=撮影・岩村美佳拡大「アントニーとクレオパトラ」に出演する吉田鋼太郎=撮影・岩村美佳

 シェイクスピア、蜷川幸雄作品の常連で、舞台を中心に活躍する吉田鋼太郎。この秋、彩の国シェイクスピアシリーズ第24弾「アントニーとクレオパトラ」に出演し、タイトルロールを演じる。対するクレオパトラは元宝塚トップスターの安蘭けい。シェイクスピアベテランの吉田とストレートプレイが初挑戦の安蘭の組み合わせが新鮮だ。この公演は蜷川にとって初の韓国公演も行われる。(フリーライター・岩村美佳)

 シェイクスピア作品のなかでも上演の機会が少ない作品だが、帝政ローマ時代の三頭政治のひとりのマーク・アントニーと、エジプト女王のクレオパトラという歴史上の有名な人物の激しい恋物語だ。吉田はその見どころを、「世の中の酸いも甘いも噛みわけ、裏も表も知り、色んな駆け引きや、男と女の間の様々なやりとりをしつつ、でも好きだという、おじさんとおばさんの純愛物語です」という。

 アントニー役は3回目という吉田。人間らしいところがこの役の魅力だという。英雄の不倫や死に際を、かっこ良く描くのではなく、人間らしい弱さを交えて描かれているのがシェイクスピアの面白さ。そのだめっぷりを「あくまで自分はかっこいいつもりでやらないといけない」と話す。実は吉田は自分の劇団AUNで同じアントニー役を自身の演出で演じている。今回新たに蜷川の演出で取り組み、新しい発見をしたそうだ。「シェイクスピアってどうしても敷居が高いので、あるビジュアル的に美しいものっていうのをお客様に提示しないと、お客様がついてこないんですよ。細かい掘り下げはそのあとすればいい、まずかっこよくやってくれ」と。その発想がなかったと驚いた。

 そして、安蘭を「美しくてリアル」と絶賛する。「初めてのストレートプレイを絶対にねじ伏せてやるぞという雰囲気をきっちり醸し出していらっしゃいますね。それが周りに威圧感や特別感を与えない、とても庶民的な感じもあり、でもいざクレオパトラの衣裳を着て稽古場に立たれると、本当に美しく神々しい」といい、安蘭あっての作品だと話す。

 吉田はシェイクスピア作品を35年程演じ続けてきた。そのエネルギーの源は「台詞」だという。「シェイクスピアをやりたい人間は相当の目立ちたがり。誰よりもしゃべっていたい、誰よりも長い台詞が欲しい、誰よりも長く舞台にいたい。それをシェイクスピアがかなえてくれるので。こんな芝居はまずないですよ」と役者の醍醐味と結びつけた。そしてさらに、舞台にこだわり続けてきた理由を、「一番の贅沢だから」と明かす。「生身の人間が、生身の人間の前で何かをする。ごまかせないし、やり直しもきかない」。そこにいる役者と観客だけが味わうことの出来る特別な時間。それは他にはない、贅沢で尊いものだ。

【インタビュー全文はこちら】

◆「アントニーとクレオパトラ」
《埼玉公演》2011年10月1日(土)〜10月15日(土) 彩の国さいたま芸術劇場大ホール
《福岡公演》2011年10月21日(金)〜10月23日(日) キャナルシティ劇場
《大阪公演》2011年10月28日(金)〜10月31日(月) イオン化粧品 シアターBRAVA!
《韓国公演》2011年11月24日(木)〜11月27日(日) LGアートセンター
詳しくは、公式ブログへ

 (関連リンク:吉田鋼太郎オフィシャルプロフィール

《筆者プロフィール》岩村美佳 フリーフォトグラファー、フリーライター。舞台関係、ファッションなどを中心に撮影してきた経験をいかし、ライターとしても活動している。「目に浮かぶ言葉」を伝えていきたい。


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