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ステージレビュー

韓国ミュージカルが連続来日、「美女はつらいの」開幕

2011年10月14日

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 話題の韓国ミュージカル「美女はつらいの」が、10月8日に大阪松竹座で開幕した。今年6月の京都での「宮」来日公演に続き、本格的な韓国ミュージカルの連続上演となり、ファンが各地から大勢駆けつけ、華やかな初日開幕となった。(フリーライター・坂口智美)

 物語は、美人歌手のゴーストシンガーを務める体重125キロのヒロインが、才能を認めてくれたプロデューサーに恋をして整形手術で美女に生まれ変わるというストーリー。別人となり、スターに駆けのぼった彼女が手にした本当の自分とは…。

 開幕主演キャストは、ヒロイン、ハンビョル役に「KARA」のギュリ、プリンス、サンジュンに「超新星」のソンジェ。開場前から、正面玄関に設えられた主役キャスト等身大のパネルと一緒に写真を撮る行列が後を絶たないにぎわいぶり。2人の熱狂的なファンで会場は満席。2人の一挙一動に拍手、笑い、大歓声の連続だった。

 特殊メイクで変身したパワフルボディでは演技も歌も難しいところだが、ギュリは可愛く愛おしいまでに演じ切った。そして変身後は「KARA」のリーダーで“美の女神”を担当しているギュリの本領発揮。華麗で美しく歌い踊る姿は、現実の彼女そのもの。ドラマで子役として出演したこともあるギュリらしく初々しい恋心も上手く伝えた。ミュージカル初挑戦とは思えない出来栄えだった。

 一方、ハンビョルが恋するクールなプロデューサー、サンジュン役のソンジェ。長身で色白なハンサムボーイは、立っているだけで絵になる王子様。ピアノを前に切実と歌う「誰が僕をわかってくれるだろうか」では、観客席から多くの溜息が漏れた。この舞台で、ギュリとソンジェはそれぞれ「KARA」「超新星」の時とは一味違った魅力を開花させたと言ってよいだろう。

 初日夜の部は、経験豊富な実力派の二人が主役を務めた。ハンビョル役は、3年前韓国での初演時に主演を演じたパダ。元祖K−POPアイドル、今や韓国を代表するミュージカル俳優の彼女。演技・歌・ダンスともに圧巻だった。まるで彼女のために作られたようなステージで、この役で韓国の第3回ザ・ミュージカル・アワード主演女優賞を受賞したのもうなずける。その脚線美にも注目だ。相手役のサンジュンは、映画、ドラマで活躍の実力派俳優のイ・ジョンヒョク。低音の台詞とのびやかな歌声で大人の男性の魅力を発揮した。全編韓国語だが、2人のシーンでは舞台両脇の字幕が必要ないほど感情移入ができる。これぞ、ミュージカルと実感。

 主役の2人を支えるキャストも実力派揃いだ。天使、美容整形外科医、教祖、バーのマスターと演じ分ける、物語の狂言回しのイ・ゴンハク役には、ヤン・ジュンモ。圧倒的な歌唱力! 見事なバリトンの歌声は会場をオペラハウスに一変させた(Wキャストは、国民的コメディアンのキム・テギュン)。このほか、ドラマの名脇役ソン・ヨンギュも。若手の共演者たちも実力が拮抗している。

 もう一人、主役のサンジュンには、トリプルキャストでオ・マンソクが10月25日から登場する。映画やドラマでの名演技、韓国ミュージカル界のスターでもある彼の舞台も待ち遠しい。主役キャストの組み合わせが2×3=6通りあるので、何度も劇用に足を運ぶ人が多いことだろう。

 製作スタッフの面々も一流だ。演出は、韓国の代表的な舞台演出家イ・ジナ。マジック演出には、マジシャンのワールドカップで優勝したイ・ウンギョル。そして、「マリア」「星」等の珠玉のミュージカルナンバー。フィナーレは、ライブのような盛り上がり。

 パダが「ステージ裏で、日本と韓国のスタッフ同士の協力を見て感動した」と言う通り、これからひと月余りの公演、日韓両国のお互いの文化を共有しながらの新しいエンターテインメントが見事に実を結ぶに違いない。

 乙女心をくすぐるシンデレラストーリーと、公演会場のすぐ隣にあるグリコの看板にも負けない華やかできらめく舞台美術。韓国に行かなくとも「これぞ、韓国ミュージカル!」が堪能できる舞台となっている。

◆ミュージカル「美女はつらいの」
《大阪公演》2011年10月8日(土)〜11月6日(日) 大阪松竹座
詳しくは、公式サイトへ

《筆者プロフィール》坂口智美 フリーアナウンサー。ラジオの放送記者を経て現職。大阪生まれ、在住。音楽・美術・観劇・美食・旅をこよなく愛し、各分野のコミュニケーションを目指す。チュニジアが故郷のアロマテラピーの啓蒙にも力を入れている。(IAA国際アロマニスト協会関西支部長)


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