現在位置:
  1. asahi.com
  2. エンタメ
  3. 舞台
  4. ステージレビュー
  5. 記事

ステージレビュー

怒涛のダンスと歌が圧巻!「ニューヨークに行きたい!!」

2011年11月8日

印刷印刷用画面を開く

Check

このエントリーをはてなブックマークに追加 Yahoo!ブックマークに登録 このエントリをdel.icio.usに登録 このエントリをlivedoorクリップに登録 このエントリをBuzzurlに登録

写真:「ニューヨークに行きたい!!」より=写真提供:東宝演劇部拡大「ニューヨークに行きたい!!」より=写真提供:東宝演劇部

写真:「ニューヨークに行きたい!!」より=写真提供:東宝演劇部拡大「ニューヨークに行きたい!!」より=写真提供:東宝演劇部

 「三銃士」の瀬奈じゅん、橋本さとしが再び息の合った共演を見せるミュージカル「ニューヨークに行きたい!!」が東京・帝国劇場にて上演中だ。ニューヨークへ向かう豪華客船を舞台に、互いの親同士の駆け落ちをきっかけに出会った男女の恋の行方を、コミカルかつハートフルに描く。(フリーライター・岩橋朝美)

 ドイツで誕生し、本国およびオーストリアで大ヒット。これだけを読んだら、どんな重厚なミュージカルだろう…と想像してしまうクチもいるだろう。しかし、そんな思いは冒頭から気持ちよく裏切られる。開始早々、オーケストラが高らかに鳴ると同時に、オーケストラボックスが観客席から見えるほどせり上がり、観客のふいをつく。手拍子をあおる指揮者の塩田明弘にのせられ手拍子で応えれば、舞台はいつのまにかTV番組のバックステージに変わり、主演の瀬奈じゅんらが登場。スピーディーなかけあいに続いて、歌、群舞とたたみかけ、一気に会場のボルテージを跳ね上げる。

 最初から出し惜しみのないエンタテインメントの洪水と、ショーアップされたステージは理屈抜きの楽しさ。ほとんどの楽曲にダンスがついており、衣装を早変わりして次々と登場するアンサンブルは、もうひとりの主役といってもいいほどの活躍ぶり。KAZUMI−BOY、大澄賢也、田井中智子ら3人の振付師による、それぞれの個性を生かしたダイナミックでユーモアの効いたダンスは必見だ。

 もちろん、本当の主役たちも負けてはいない。華々しく活躍するTVキャスター・リサ役の瀬奈じゅんは、仕事上では勝気で自信家である一方、夢見がちな母との関係に悩み、恋に臆病な等身大の女性を好演。自分とは正反対のアクセル(橋本さとし)に反発しながらも惹かれていき、時折少女のような素顔を見せるのがキュートだ。また、白のパンツスーツから赤のロングドレスまで、長身のスタイルを生かした衣装の着こなしも見どころ。

 一方、バツイチで子持ち、メンズマガジンのカメラマンとして働くアクセル役の橋本さとしは、ラフなファッションに無精ひげが似合い、愛すべきダメ男をときに面白おかしく、ときに色っぽく演じる。失敗続きの父を支える、「COOL!」が口癖の息子(吉井一肇、石川新太のWキャスト)との絶妙な間のやりとりもユニーク。

 そのほか、夢見がちで純粋なリサの母マリアを上品に体現した浅丘ルリ子、マリアと恋に落ち人生が再び輝きだすオットーをほのぼのと演じる村井国夫、親友のリサのため、キューピッドを買って出るゲイカップルを可愛いらしく演じた泉見洋平、戸井勝海など、揃ってハマリ役を得た役者陣の伸び伸びとした演技が楽しい。

 また、ドイツのヒット曲メーカー、ウド・ユンゲルスによるロックテイストからバラードまで幅広いナンバーはどれもキャッチーで口ずさみやすいのが魅力。役者やアンサンブルの客席降りや、観客総手拍子による大団円のカーテンコールなど、観客参加型の仕掛けを多数作っており、最後の最後まで楽しませてくれる。ハッピーな物語と楽曲に、終演後には思わず鼻歌やスキップが飛び出してしまうこと請け合いのこの作品。せひ、劇場で体感してほしい。

◆ミュージカル「ニューヨークに行きたい!!」
《東京公演》2011年10月29日(土)〜11月20日(日) 帝国劇場
《大阪公演》2011年11月25日(金)〜11月29日(火) 梅田芸術劇場メインホール
詳しくは、公式サイトへ

《筆者プロフィール》岩橋朝美 フリーエディター、フリーライター。WEBおよび出版を中心に、企画、編集、取材、執筆を行う。エンタテインメント、女性、仕事など、幅広いテーマで活動。


検索フォーム


朝日新聞購読のご案内
新聞購読のご案内事業・サービス紹介