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ステージレビュー

井上・新納・彩乃のコンビぶり健在「トライアングル2」

2011年11月10日

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写真:「TRIANGLE VOL.2 〜探し屋ジョニーヤマダ〜」公演より=撮影:加藤幸広拡大「TRIANGLE VOL.2 〜探し屋ジョニーヤマダ〜」公演より=撮影:加藤幸広

 井上芳雄、新納慎也、彩乃かなみのトリオが2年ぶりにパルコ劇場に帰ってきた。「TRIANGLE VOL.2 〜探し屋ジョニーヤマダ〜」。前作とはガラリと趣向を変えて、今回はちょっぴりシリアスなストーリー仕立て。だが、3人の息のあったコンビぶりは健在だ。(フリージャーナリスト・中本千晶)

 今回の3人は、小学校時代からの幼なじみという設定。いつもバカなことばかりしている腕白小僧のジョニーヤマダ(井上)、カッコ良くて、頭も良くて、でもちょっぴり弱気なトーマ(新納)、そして、お転婆で怪力で(?)気が強くって、でも可愛いビッキービッキー(彩乃)だ。

 大人になったジョニーは「探し屋」として活躍中だ。そして、ビッキービッキーは幼い頃からの夢だった刑事になっている。そして2人は婚約中。そこになんと、原因不明の昏睡状態になってしまったトーマがかつぎ込まれてくる。物語は、ここから始まる。

 「失くし物」だけではない、人の「失われた記憶」も探すことができるジョニーは、親友を目覚めさせるべく、トーマの記憶のなかに入り込んでいく。すると、記憶の彼方に封印されていたはずの意外な事実が次々と発覚し、あわや婚約解消の危機に…。

 「素の2人とは互いに正反対の役柄」という井上と新納。だが、「ミュージカル界のプリンス」(井上)に、じつはコミカルでお茶目な部分があることや、「ミュージカル界の異端児」(新納)が、じつはとても知的で繊細な人であることは、ファンの皆様方はすでにお見通しだろう。そんな2人の一面が存分に堪能できるという、何ともうれしい一作となっている。

 幕開きから酔っぱらいで登場する彩乃かなみには、度肝を抜かれた。宝塚時代はトップ娘役として活躍した彩乃だが、その殻を良い意味で完全に脱ぎ捨てた、のびのびとしたパワフルなお芝居。本作で、コメディエンヌとしての一面を見事に開花させた。一皮むけた彩乃の姿を観てみたい方はぜひ劇場まで。

 子ども時代からの記憶をさかのぼる、ということで、子ども時代から中学、高校と成長していく3人を見られるのも楽しい。新納トーマ少年の登場シーンには乞うご期待。セーラー服姿の彩乃ビッキービッキーが何とも可愛らしい。

 物語は、1幕の後半から2幕にかけて、ちょっとシリアスに展開する。普段、空気のように身近に接している人のことを、改めて大事にしようと思うきっかけになるかもしれない。日々、人と接する中での、何気ない一瞬一瞬を、おろそかにするまいと、改めて考えさせられる。

 結末に向けての急展開は、普段でも親友どうしだという井上と新納の2人ならではの見せ場だろう。そしてここでは、井上の直球の二枚目っぷり、そして新納のユーモラスな変化球と、2人本来の持ち味が浮き彫りになる。

 三人三様の個性に加え、3人ならではのコンビネーションも楽しめる。この3人でなら、3作目、4作目…と、いろんな「トライアングル」が観てみたいと、今後に期待してしまうような舞台だった。

◆「SHOW STAGE NO.1! TRIANGLE VOL.2 〜探し屋ジョニーヤマダ〜」
《東京公演》2011年10月30日(日)〜11月20日(日) PARCO劇場
《名古屋公演》2011年11月23日(水・祝) 刈谷市総合文化センター 大ホール
《大阪公演》2011年11月25日(金)〜27日(日) 梅田芸術劇場 シアター・ドラマシティ
《福岡公演》2011年11月29日(火) キャナルシティ劇場
詳しくは、公式サイトへ

《筆者プロフィール》中本千晶 フリージャーナリスト。宝塚関係の著作に「宝塚読本」(文春文庫)、「なぜ宝塚歌劇に客は押し寄せるのか」(小学館新書)。今年10月に「なぜ宝塚歌劇の男役はカッコイイのか」(東京堂出版)を出版。Astandスターファイルでも「ヅカナビ」連載中。


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