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ステージレビュー

フラメンコを取り入れた斬新な歌舞伎「GOEMON」

2011年11月13日

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「GOEMON 石川五右衛門」公演より=撮影・橋本正人

写真:「GOEMON 石川五右衛門」公演より=撮影・橋本正人拡大「GOEMON 石川五右衛門」公演より=撮影・橋本正人

写真:第3回システィーナ歌舞伎「GOEMON 石川五右衛門」公演より=撮影・橋本正人拡大第3回システィーナ歌舞伎「GOEMON 石川五右衛門」公演より=撮影・橋本正人

 新作歌舞伎「GOEMON 石川五右衛門」公演が12日、徳島県鳴門市の大塚国際美術館で開幕した。ホールの名前をとって「システィーナ歌舞伎」と題された公演の第3回で、今回は歌舞伎の中にフラメンコを取り入れるという斬新なアイデアが盛り込まれている。フラメンコギターの音色に乗せて歌舞伎役者が着物で踊る姿は、不思議なほど違和感がなく、フィクションとわかっていながらも「もしかしたら歌舞伎にはスペインの影響があったのかも」と夢想してしまうほどうまく構成された舞台だった。(アサヒ・コム編集部 橋本正人)

 大泥棒として有名な石川五右衛門(片岡愛之助)は、スペイン人神父(伊礼彼方)と明智光秀の家臣の娘(上村吉弥)の間に生まれたという設定。歌舞伎の創始者で、新しい踊りを模索していた出雲の阿国(中村壱太郎)と五右衛門が出会い、五右衛門は父の国・スペインの踊り、フラメンコを阿国に伝える。

 フラメンコは地元・徳島出身の文化功労者・小島章司が自ら踊るほか、振付を担当。五右衛門は、父に教わったフラメンコを思い出しながら、ゆっくりと、しかし力強い足音を響かせて踊り始め、それを真似て阿国も踊りに加わり、やがて2人が頭上で手を叩いてデュエットダンスを繰り広げるシーンは圧巻だ。

 また、今回の舞台には「宙乗り」が登場するのも魅力。五右衛門は、宿敵・豊臣秀吉(石田太郎)の手下たちと戦う場面で、ホールの端から端まで、天井近くをワイヤーで「飛ぶ」。会場のシスティーナ・ホールは、バチカンにある礼拝堂を実物大で再現しており、陶板画が壁や天井を埋め尽くしているが、この天井絵画を生かすために今回、宙乗りが初めて導入された。ライトで照らし出されて金色に輝く絵画群の前を、派手な衣装の五右衛門が見得を切りながら「飛んでゆく」光景は豪華絢爛だ。

 また今回の公演では初めて「アリーナ方式」が導入され、長細い礼拝堂の中央に舞台を設定したのも効果的だった。舞台の最前列に近い場所で観客が舞台を身近に見られ、前後にある花道でも観客のすぐそばを役者が通ってゆく。

 脚本も配役も仕掛けも踊りも、何もかもが斬新だったこの舞台。作・演出の水口一夫は公演パンフレットで「時代に少しずれがあったり、史実とも違ったりしています。そこが歌舞伎の面白いところ、何でもありが、歌舞伎の魅力です」と語っている。まさしく「なんでもありの歌舞伎の魅力」が花開いた舞台だった。

◆第3回システィーナ歌舞伎「GOEMON 石川五右衛門」
《徳島公演》2011年11月12日(土)〜11月14日(月) 大塚国際美術館 システィーナ・ホール
⇒詳しくは、大塚国際美術館イベント・お知らせページへ(チケットは完売)


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