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安蘭けい×彩吹真央「サンセット大通り」対談

2012年6月11日

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写真:ミュージカル「サンセット大通り」に出演する安蘭けい(右)と彩吹真央(左)=撮影・岩村美佳拡大ミュージカル「サンセット大通り」に出演する安蘭けい(右)と彩吹真央(左)=撮影・岩村美佳

 アンドリュー・ロイド・ウェバーの素晴らしい楽曲で知られるミュージカル「サンセット大通り」が6月、日本で初めて上演される。原作は、1950年に公開されたビリー・ワイルダー監督の同名の映画だ。日本公演がずっと待ち望まれていた作品だが、実力派のキャストを揃えての満を持しての上演となる。朝日新聞デジタルでは、過去の栄光を捨てられない大女優ノーマ・デズモンドを演じる安蘭けいと、ノーマの「恋のライバル」となる若い脚本家の卵ベティを演じる彩吹真央に、作品や役のみどころ、宝塚時代以来久しぶりに共演できる喜びなどについてお話を聞いた。(フリージャーナリスト・中本千晶)

 難役と思えるノーマを演じる安蘭は「映画を見たときは、『私、こんな女性になれるのかな?』とも思ったけれど、彼女があのようになってしまった一番の要因である『プライド』は私にもあるので、そこを糸口にして、人として共感できるノーマをつくりあげていきたい」と話した。「老い」を演じることに関しても、「以前『MITSUKO』で、年老いていく芝居がとても気持ち良かったので、むしろ『やりすぎないでね』と言われるくらい。あまり意識しないでやりたい」と自信をみせた。

 いっぽう、年齢もキャラクターもノーマと対照的な女性ベティを演じる彩吹は、「最初は若くてまっすぐな女性というイメージだったけれど、演出の鈴木裕美さんから『そんな彼女にも、上に行くぞという野心や、そのためなら他人も利用するぞという気持ちもある』とうかがって、なるほどと思った。彼女のそういう裏の部分もみせていきたい」と役の掘り下げに意欲的だ。

 そんな2人からそれぞれ想いを寄せられる、売れない脚本家のジョー・ギリス役の田代万里生に関しては、それぞれ「これまでは弟みたいな感じだったけれど、見る目を変えていかなくては(安蘭)」「ひとつひとつのことを、きっちりこなしていく真面目な好青年という印象。私も負けないようにしなくちゃ(彩吹)」。また、ノーマを盲目的に崇拝する謎の執事マックスを演じる鈴木綜馬については、「独特の世界観を持っていらっしゃる方で、その雰囲気がマックスにぴったり。でも実は、マックスがノーマを勘違いさせ続け、支配し続けたという側面もある(安蘭)」とも話した。

 今回、一歩踏み込んだ役作りへの刺激になっているのが、演出を担当する鈴木の存在だ。「作品や役に対する捉え方がとにかく面白い」と2人。わかりやすいたとえ話を織り交ぜながらのお稽古の中で、一見シリアスな物語にも「あれ? この作品コメディーだったかな?」と思えるほどの発見もしばしばあるとか。

 宝塚時代から歌唱力に定評がある2人だが、ロイド・ウェバーの名曲の数々に関して「メロディーがしっかりしていて、感情が乗せやすい。歌の中に芝居があるのではなく、芝居の中に歌があるという意味で、今まで自分がやってきたミュージカルと真逆な感じが楽しみでもあり、怖くもある」と安蘭。いっぽうの彩吹も、「これまでより高いキーで歌うのも挑戦。製作発表でデュエットしてみて、『美しい』イコール『難しい』と改めて感じたので、これからもっともっと上げていきたい」と、得意の歌に関しても、それぞれ新境地を開拓する意欲をみせた。

 ちなみに、お互いの歌に対する印象も聞いてみた。彩吹の歌に関して安蘭は「声が深くて、とにかく聞いていて心地いい。でも今回は、その安定感を超えて出していかなきゃいけないものがあるから、さらにステップアップするはず」と期待を込め、安蘭の歌に対して彩吹は、「製作発表で聴いて、全身鳥肌が立った。まさに『これを聴きにこなきゃだめだよ!』という感じ。今回キーが低くて男役時代に鳴り響かせていた音域もあるから、懐かしさも感じた」と語った。

 宝塚で若手時代を同じ雪組で過ごして以来、久しぶりに同じ舞台に立てることをお互いとても楽しみにしていたという2人。上級生の安蘭が「宝塚時代はお互い苦労したので、共通してわかりあえる部分があるかなと勝手に親近感を抱いていた」と話せば、「そう思っていらっしゃるかな。そうだったらうれしいなと思っていた」と彩吹。宝塚卒業後はそれぞれミュージカル女優として大活躍の2人だが、そこで培って来た実力を存分に発揮する舞台になりそうだと、お話を聞いて改めて実感した。

【インタビュー詳細動画はこちら】

◆ミュージカル「サンセット大通り」
《東京公演》2012年6月16日(土)〜7月1日(日) 赤坂ACTシアター
《大阪公演》2012年7月6日(金)〜8日(日) イオン化粧品 シアターBRAVA!
⇒詳しくは、「サンセット大通り」公演詳細ページへhttp://www.horipro.co.jp/usr/ticket/kouen.cgi?Detail=178

(関連リンク:安蘭けい公式ファンクラブ Aran) http://kei-aran.com/

(関連リンク:彩吹真央 オフィシャルWEBサイト) http://www.grand-arts.com/ma/

《筆者プロフィール》中本千晶 フリージャーナリスト。宝塚関係の著作に「宝塚読本」(文春文庫)、「なぜ宝塚歌劇に客は押し寄せるのか」(小学館新書)。2011年10月に「なぜ宝塚歌劇の男役はカッコイイのか」(東京堂出版)を出版。Astandスターファイルでも「ヅカナビ」連載中。


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