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吉本百年物語12月公演は「日本全国、テレビで遊ぼ」

2012年11月30日

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写真:吉本百年物語12月公演「日本全国、テレビで遊ぼ」制作発表より=撮影・小林勝彦拡大吉本百年物語12月公演「日本全国、テレビで遊ぼ」制作発表より=撮影・小林勝彦

写真:吉本百年物語12月公演「日本全国、テレビで遊ぼ」制作発表より=撮影・小林勝彦拡大吉本百年物語12月公演「日本全国、テレビで遊ぼ」制作発表より=撮影・小林勝彦

 吉本興業史を月替わりの芝居でたどる「吉本百年物語」シリーズの第9弾「日本全国、テレビで遊ぼ」の制作発表がこのほど行われた。会見には、キャストの西川忠志、瀬戸カトリーヌ、矢野勝也、石田靖らが登場し、意気込みを熱く語った。司会は、忠志の妹の西川かの子。父、西川きよし役を演じる忠志が、両親の前で台本を全て読み上げたエピソードが紹介され、アットホームで愉快な会見となった。(フリーライター・岩瀬春美)

 12月公演の舞台は、1970年前後。70年に大阪万博があり、大阪の街も人も活気づいていた頃だ。吉本興業の芸人たちも、寄席の外に活躍の場を広げ、テレビの世界に進出。大阪のテレビ局が「ヤングおー!おー!」や「プロポーズ大作戦」「パンチDEデート」などで、漫才師や落語家を司会に起用した番組を全国で放映し、お笑いが大きなうねりで動き出していた。公開録画などを通して、若者のお笑いファンを増やしていったのも、その頃からだ。

 そんな勢いのある時代を背景に、本作では漫才コンビ「やすし・きよし」(横山やすしと西川きよし)や桂三枝(今の六代桂文枝)など、20世紀を代表するお笑いの人気者が登場する。これまで「吉本百年物語」で封印していた物まね芸も、本作では見どころの一つとして出てくるようだ。「横山やすしさんの物まね芸を、(やすし役の)矢野くんに思いっきり披露していただこうと思っています」と脚本の長川千佳子氏。西川きよしとヘレン夫妻の人間ドラマも見どころで、「家の中での会話など、想像を思いっきりふくらませて書きました」と長川氏は話し、「やすし・きよし」の関係についても「誰も入っていけない2人の絆を描きました」と語った。

 西川きよし役を務めるのは、きよしとヘレンの長男で、吉本新喜劇の西川忠志。実の父の役を演じることについて「本当に光栄です」と語る忠志に、石田が笑いながら「うわっ!って思わないんですね」とコメントすると、忠志が「これに勝る喜びはないです」ときっぱり。「44年間、ひとつ屋根の下で住んできた息子として、皆さまが知らない父の姿も僕は知っています。えっ! こんな面もあったの?と皆様が思ってくださるような西川きよし像を作り上げていきたいと思います」と熱弁した。

 きよしの妻ヘレンを演じるのは、女優の瀬戸カトリーヌ。「『なにわのロイヤル・ファミリー』ヘレンさん役を演じるのは本当に光栄です」と力強くあいさつした。ヘレンは元吉本新喜劇の看板女優で、瀬戸の母も吉本新喜劇の女優だった。「私の母が昔、吉本新喜劇で研究生のころ、当時売れっ子だったヘレンさんの代役を1回だけやらせていただいたことがあります」と瀬戸はエピソードを語り、「ビジュアル面では自信があります。あとは演劇ですが、これまで培ってきたお芝居の経験を生かし、ぴりっと締めたいです」と意気込みを語った。

 きよしと共に20世紀を代表する天才漫才師と呼ばれた横山やすし役には、漫才コンビ「矢野・兵動」の矢野勝也。会見では登場するやいなや「怒るでしかし!」と「やっさん」の物まねを披露。今作では白い羽を背中に背負い、「エンジェルやすし」として舞台に立つ。また矢野は横山やすしのメガネの復刻版を自前で買い、「やっさんが好きすぎる」という自身の思いを、メガネに託して話した。

 当時バラエティ番組で若手の起用に意欲的に取り組んだ敏腕番組プロデューサー、小林役を演じるのはお笑いタレントの石田靖。「『日本全国、テレビで遊ぼ』の台本を読んだときに一瞬、『西川家で遊ぼ』かなと思いまして(笑)」と話し、台本には「やすし師匠が不祥事を起こした時、きよし師匠がどうピンチを乗り切ったかなどの心情がすごく書かれている」と紹介。「『やすし・きよし』は、きよし師匠が選挙に出たり、やすし師匠が2回不祥事を起こしたりと、順風満帆じゃない。そんな日本一の漫才コンビが、どういう遍歴を経て、今もなお大看板としてずっと影響を持ち続けているかを、お芝居に参加しながら見るのが非常に楽しみです」と語った。

 会見前夜、忠志は両親を前に台本を全て読み上げた。「時にはげらげら笑い、時には涙を流しながら読み進めました」と忠志は語り、父のきよしからは「この役をお前がやることが、ある意味うらやましい、俺がやりたいぐらいや」と言われたという。その一部始終を傍らで見ていた妹のかの子は「兄は効果の説明などのト書きも全部口で言い、1ページ目から最後まで読みました」と補足し、「母も赤ワイン片手に泣いていました(笑)」と話した。

西川家の人々が台本を読んで涙した「日本全国、テレビで遊ぼ」。「吉本百年物語」シリーズ2012年最後の師走公演は、濃密な物語が期待できそうだ。

◆吉本百年物語12月公演「日本全国、テレビで遊ぼ」
2012年12月7日(金)〜29日(土) なんばグランド花月
⇒詳しくは、吉本百年物語公式サイトへ http://www.yoshimoto.co.jp/100th/monogatari/

《筆者プロフィール》岩瀬春美 福井県小浜市出身。人生の大半を米国ですごした曾祖父の日記を読んだことがきっかけでライターを志す。シアトルの日本語情報誌インターン、テクニカルライター等を経て、アサヒ・コム編集部のスタッフとして舞台ページを担当。2012年1月よりフリーランスのライターとして活動。


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