ステージレビュー
2012年11月29日
「エリザベート スペシャル ガラ・コンサート」が、11月25日、大阪・梅田芸術劇場で初日を迎えました。先に東京・東急シアターオーブで上演され、大好評だった熱気も冷めやらぬまま、いよいよ関西へ凱旋です。宝塚の歴史を塗り替えたともいえる「エリザベート」が、一路真輝、花總まりをはじめ、姿月あさと、春野寿美礼ら、初期の主要キャストをそろえ堂々の復活。当時の興奮と感動が鮮やかによみがえる公演となりました。(フリーライター・さかせがわ猫丸)
最初に雪組で上演された時、それはまさに「革命」でした。重々しいテーマ、男役トップスターが死神、全編通してすべてを歌で表現と、初めてのチャレンジ尽くし。しかしながら、幕が下りた後の喝采とその後に押し寄せたウエーブは、新しい時代の幕開けを高らかに知らしめ、海外ミュージカルを積極的に取り入れる先駆けとなったのです。それから幾人ものスターが生まれ、何度も上演を重ねながら、いまでは「ベルサイユのばら」と並ぶほど馴染み深い作品となりました。
ガラ・コンサートは今回で3回目。回を重ねるごとに衣装が加わり、演技に厚みが加わり、より本公演に近いスタイルになってきました。特に今回は、初期のメンバーでほぼ完全再現できるという豪華さ。大阪の幕開きも、メインキャストがそのまま登場する、雪組初演バージョンから始まりました。
初代トートである一路さんの揺るがない圧倒的存在感。2010年に舞台復帰したものの、しばらく表舞台から遠ざかっていましたが、まったく変わりない美貌でエリザベートを再び憑依させた花總さん。今公演唯一の現役・轟悠さん演じるルキーニに、フランツ・ヨーゼフの高嶺ふぶきさん、ルドルフの朝海ひかるさんに、エルマーの夢輝のあさん。誰もが年月や経験を重ねた分だけ、さらに豊かさと深みを増し、当時を鮮やかによみがえらせてくれます。
でも、ただ懐かしいだけじゃない。「これが本物のエリザベートだ!」と見せつけるような、自信に満ちたキャストたちの完成度の高さは、感動の連続でした。楽曲の素晴らしさ、印象に残るシーンの数々、盛り上がる演出、ドラマチックな結末…「エリザベート」は間違いなく不世出の名作。今回のコンサートではそれを改めて実感させてもらった気がしました。
時代がどれだけ変わっても、宝塚の財産と呼ばれるにふさわしい作品であり続けていてほしい。今後も熱く、期待せずにはいられません。
◆『エリザベート スペシャル ガラ・コンサート』
《東京公演》2012年11月6日(火)〜21日(水) 東急シアターオーブ ※公演は終了しています。
《大阪公演》2012年11月25日(日)〜12月3日(月) 梅田芸術劇場メインホール
⇒詳しくは、梅田芸術劇場公演情報へ http://www.umegei.com/schedule/131/index.html
《筆者プロフィール》さかせがわ猫丸 大阪府出身、兵庫県在住。全国紙の広告局に勤めた後、出産を機に退社。フリーランスとなり、ラジオ番組台本や、芸能・教育関係の新聞広告記事を担当。2009年4月からアサヒ・コム(朝日新聞デジタル)に「猫丸」名で宝塚歌劇の記事を執筆。ペンネームは、猫をこよなく愛することから。