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言葉なき舞台「NO WORDS,NO TIME」

2012年12月11日

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写真:「NO WORDS,NO TIME 〜空に落ちた涙〜」制作発表より拡大「NO WORDS,NO TIME 〜空に落ちた涙〜」制作発表より

 空虚な毎日を送っていた男が体験する不思議な出来事を、セリフを一切用いず、音楽とダンスのみで描く意欲作「NO WORDS,NO TIME 〜空に落ちた涙〜」が2013年1月18日より上演される。公演に先立ち都内で制作発表会見が行われ、W主演の東山紀之、KAT−TUNの田口淳之介ほか、共演の宝塚歌劇団元トップ娘役・花總まり、振付と出演を兼ねる黒田育世、演出家のG2が顔を揃えた。(フリーライター・岩橋朝美)

 妻を失い生きる意味を見出せなくなっていた男(東山)が、とある青年(田口)との出会いを機に不思議な世界(パラレルワールド)に迷い込んでいくという物語。特筆すべきは、舞台が音楽とダンス、パントマイムのみで構成され、セリフや歌がまったくないという点。ストレートプレイからミュージカル、歌舞伎まで幅広く手掛けるG2にとっても、セリフのない舞台は初めて。「今回は歌やセリフといった補助線を作らずに、役者が持っている存在感や身体能力のみで表現したい、舞台や演劇は基本的にはフィジカルな芸術であるということに立ち返ってみたいと思っています」と意欲的だ。

 主役を演じる東山は「G2さんの舞台は何本か拝見させていただいて、その死生観に興味を引かれました。今回も絶望や死を描くことによって、今現在生きていること――“生”に対する喜びを見てくださる方に感じていただければ」とコメント。また、セリフのない舞台については「僕らにとっても新しいチャレンジではありますが、表面的なことだけでなく、自分の中にある精神性や強さを、言葉というツールを使わずに出せることが非常に面白いなと感じています」と早くも手応えを感じていた。

 ダンスの名手として知られ、舞台初出演にして主演を果たす田口は「今まではヒップホップ系やストリート系のダンスが多く、コンテンポラリーやジャズはあまり経験がないので、初日のレッスン後は2日間筋肉痛でした」と苦笑いしつつも、「黒田さんの振付は、台本のさまざまなワードの意味がとてもよく汲み取られていて、わかりやすく表現できる。それは観ている人にもストレートに伝わるのではと思います」と力強く語った。

 本作の要であるダンスの振付を担当する黒田はダンサーおよび振付家として、NODA・MAP公演「ザ・キャラクター」など多方面で活躍。「台本を読ませていただいたときに、愛情やアイデンティティー、人間関係の絆など、世の中の大切なものが網羅されていると感じたので、難しいだろうけれどやりたいと思いました」と語る黒田に、G2は「黒田さんの振付は既成概念を打ち壊してくれるところがあって、想定外な動きから、新しい感情や感覚が生まれます。そのダンスを全体的な演出としてどうまとめていくかを考えなければなりませんが、まずは一観客として楽しんでしまうぐらい素晴らしいです」と絶賛した。

 東山演じる主人公の妻役で、本格的なダンスは宝塚歌劇団退団以来6年ぶりという花總も「黒田さんの振付は、ひとつひとつの動きに意味があります。稽古で踊ってくださった後に『あぁー疲れた』とおっしゃっていて。私たちが普通に踊ったら、そこまで疲れるほどエネルギーを使えるかなと思いました。私たちもそれぐらいエネルギーを使って踊らないと、黒田さんの伝えたいことは伝わらないのではと思っています」と気を引き締めた。

 G2いわく「大人の男版『不思議の国のアリス』」になるというこの作品。言葉のない世界で、人々の感情がどのように表現されていくのか、完成を楽しみに待ちたい。

◆「NO WORDS,NO TIME 〜空に落ちた涙〜」
《東京公演》2013年1月18日(金)〜2月5日(火) 東京グローブ座
《大阪公演》2013年2月8日(金)〜12日(火) 森ノ宮ピロティホール
⇒詳しくは、「NO WORDS,NO TIME 〜空に落ちた涙〜」公式サイトへ http://www.nowords-notime.jp/

《筆者プロフィール》岩橋朝美 フリーエディター、フリーライター。WEBおよび出版を中心に、企画、編集、取材、執筆を行う。エンタテインメント、女性、仕事など、幅広いテーマで活動。


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