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GO!GO!宝塚

新宙組のスタート 宝塚宙組・大和悠河

2008年9月29日

  • 日刊スポーツ記者・土谷美樹

写真久々に舞台復帰した陽月華(右)との息もぴったり、大和悠河が夢に向かってひた走る青年を好演(プロフィール)

 宙組ミュージカル「Paradise Prince」が宝塚大劇場で開幕した。アニメーション作家を夢見る若者がそれまでの成功を捨て、自分の思いを実現させていく爽快なサクセスストーリー。今年1月、左足首を骨折しリハビリに務めてきた娘役トップ・陽月華も約8カ月ぶりに舞台に帰ってきた。トップスター大和悠河は「これが新たな宙組のスタート。2度目のお披露目気分」と絶好調だ。

 明るく茶目っ気たっぷりな、大和と陽月にぴったりなミュージカルが完成した。大和演じる24歳の若きアーティスト、スチュアートはモダンアートの世界で成功した天才。しかし、小さいころからの夢をあきらめ切れず、これまでの地位を捨てアニメーションの世界に飛び込む。モダンアートの世界ではちやほやされていた人間も、新しい世界では下積みからのスタートだ。それでも夢に向かって歯を食いしばる姿が共感を呼ぶ。

 大和も「皆さんが夢に向かって頑張ってきた時、感じたことのある場面や感情が散りばめられていてググッと来る場面があるはずですよ。セリフにもあるんですけど『自分に正直に生きる』って感じです」と熱く語った。

 「単なる青春物語にはしたくなかった」と話すが、そこにはかつての自分の姿も重なるという。「タカラヅカを夢見てここに入ることができ、今度はトップになることがひとつの夢で…。そこに今、たどり着けたっていう意味では(スチュアートに)重なる部分がありましたよね。役を作る、というより今までの思いをはき出すって感じだった」と大和自身、今回の役を身近に感じたようだ。

 しかも、今回の作品は大事な相手役の復帰でもある。前作「黎明の風」のけいこ場でトップ娘役・陽月が左足首を骨折したのは今年1月。「黎明−」はもちろん、続く梅田芸術劇場でのミュージカル「雨に唄えば」も出演することができなかった。約8カ月ぶりのゴールデンコンビ復活。「彼女も集合日(けいこ初日)はすごく緊張してたみたいなんですね。でも久々に芝居で組んで踊って…。やっぱり息が合うんですよ『あ、これだ、これだ』みたいな」と大和の笑顔にも安心感が漂う。

 そして最後に大和はこう言って胸を張った。「これが新たな宙組のスタートかなって思っています。お披露目(「バレンシアの熱い花」)は名作の再演でしたし、前回は彼女がいなかった。今回はウメちゃん(陽月)も戻ってきて新たなお披露目ですね」。そんな勢いを感じるオリジナルミュージカルだ。【土谷美樹】

 ◆Paradise Prince 舞台は米ロサンゼルス近郊の街。10代のころからモダンアート界のプリンスとして注目を集めてきた天才アーティスト、スチュアート(大和)には、実は子どものころから大事にしてきた夢があった。それはアニメーション作家になり、小さい時から描き続けてきた「Paradise Prince」をテレビシリーズにすること。
 24歳の彼は夢に向かって、ゼロから人生をやり直すことにした。しかし、人生はそんなに甘くない。待っていたのは厳しい下積み生活だった。そんな中で彼は画家の卵キャサリン(陽月華)と出会う。夢に向かってひたむきに生きる2人はお互いに引かれ始める。
 一方、今までスチュアートのマネジメントをしてきたアートマネジャーのアンソニー(蘭寿とむ)は、彼を何とか元の世界に引き戻そうとあの手この手で夢を阻もうとする。ショー「ダンシング・フォー・ユー」と2本立てで11月3日まで。

 ☆大和悠河(やまと・ゆうが) 8月4日生まれ。東京都文京区出身。東京家政大付属女子中を経て95年「国境のない地図」で初舞台。月組に配属となり97年「EL DORADO」で新人公演発主役。翌年の「WEST SIDE STORY」など6作品で新公主役を務めた。98年には「シンデレラ・ロック」でバウ初主役。03年2月、宙組に異動し前トップ貴城けいの退団を受け07年3月、ドラマシティ公演「A/L」から宙組トップスターに。同年6月、娘役トップ陽月華とともに大劇場公演「バレンシアの熱い花」で正式にお披露目となった。

「GO!GO!宝塚」は毎週月曜、日刊スポーツ(大阪本社発行版)に連載中です。

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