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GO!GO!宝塚

死ぬ気があれば何でもやれる! 宝塚星組・紅ゆずる

2008年11月17日

  • 日刊スポーツ記者・土谷美樹

写真「責任感がものすごく芽生えてきた」と話す紅ゆずる(プロフィール)

 この半年で取り巻く環境がガラリと変わった。バウホールで上演中の星組公演「ブエノスアイレスの風」(25日まで)で陰ある元秘密警察官、ビセンテを好演中の紅ゆずる。主役で元反政府ゲリラのニコラス(柚希礼音)らを追い詰める重要な役どころだ。

 今年4月、バウ・ワークショップ「アンナ・カレーニナ」で準主役カレーニンを熱演して突然注目が集まった。続く大劇場公演「スカーレット・ピンパーネル」で、新人公演主役に大抜てきされた。それまで新公でも大役をこなしたことのなかった彼女が最後の新公で念願かない、しかも舞台度胸の良さと伸びやかな歌声、スッキリしたルックスで絶賛され一気に注目度がアップ。今回のバウ公演でも重要な役どころで出演し確実にチャンスをモノにしている。

 「状況はホント、かなりガラリと変わりましたね。人に見られている、というのか“もっとちゃんとしなきゃ!”って思えるようになりました」。照れ笑いを浮かべるが、その表情は新公初主演を決めた直後、おどおどしていた時のものとは比べものにならないほどだ。

 今では初の新公主役も「最高に楽しかった」と振り返る。宝塚では絶妙なアドリブもさえ客席を大いに沸かせた。「あの時は関西人の血が騒いでしまって、客席が笑ってくれれば笑ってくれるほど『もっと笑わせてやろう』とか考えてしまって、自分がお稽古していた事より笑いにいってしまった」。反省して臨んだ東京での新公は、登場の場面が前日になって突然変わったにもかかわらず「開演30分前からワクワクしてきて、あの緊張感がたまらなかった」という。

 「前回の(スカーレット)ピンパーネルから一転、ナチュラルなお芝居が求められるので、おけいこ中から先生(演出家)にしがみついてる毎日です」。舞台を降りるとまだまだ初々しいが、渋い演技がハードボイルドな舞台を引き締めている。「新公の主役をしたことで責任感がすごく芽生えた。死ぬ気があれば何でもやれる! と思えるようにもなった。来年からは上級生になりますし、自分のことは必死にやって当たり前、プラスアルファを考えて毎日過ごしたい」と超前向きだ。【土谷美樹】

 ◆ブエノスアイレスの風 1900年代半ばのブエノスアイレス。長く続いた軍事政権が倒れ、新しい大統領も選出された。政治犯として獄中にいたニコラス(柚希礼音)は特赦によって出所する。彼は学生時代から先鋭的な反政府組織に身を置き武力闘争の行動隊長だった。昔の恋人だったエバ(蒼乃夕妃)も今や国家側の刑事ビセンテ(紅)の恋人。民政となった今、彼の居場所はなく新しい人生を歩まなければならなくなっていた。  やがてニコラスはタンゴ酒場で働き始めた。しかし、かつての闘争仲間で親友だったリカルド(和涼華)が突然目の前に現れた。政権が替わり目標を失ったリカルドは新しい生き方が見つからず追い詰められていたのだ。彼はニコラスと共に再び新たな組織を結成する事を夢見ていたが…。

 ☆紅(くれない)ゆずる 8月17日生まれ、大阪市出身。東大谷高を経て02年「プラハの春」で初舞台。今年7月「スカーレット・ピンパーネル」で新人公演初主演。身長173センチ。愛称「さゆみ」「ゆずるん」。

「GO!GO!宝塚」は毎週月曜、日刊スポーツ(大阪本社発行版)に連載中です。

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