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GO!GO!宝塚

成長の証し 宝塚雪組・沙央くらま

2008年12月15日

  • 日刊スポーツ記者・土谷美樹

写真新公を卒業し、さらなる飛躍を誓う沙央くらま(プロフィール)

 雪組の若手スター、沙央くらまが、大阪・梅田のシアター・ドラマシティで上演中のミュージカル「カラマーゾフの兄弟」(25日まで)で心優しい三男、アレクセイ・カラマーゾフを熱演中だ。トップスター水夏希演じる長男ドミートリー、準トップ彩吹真央の二男イワン、トップ2とがっぷり組んでの芝居は初めてで「すごく貴重なこと。受け身になるだけでなく舞台で答えを出したい」と真剣な目で語った。

 舞台ではトップスター水、準トップの彩吹と対等に、長ゼリフをやり取りする沙央の姿がたくましい。ロシアの文豪ドストエフスキーの同名小説で、亀山郁夫氏訳の新訳版が100万部のベストセラーになるなどの名作。強欲な父フョードルの卑劣極まりない振る舞いに、性格の違う3人の息子や、その恋人たちが複雑に絡み合い見る者を引き込んでいる。

 沙央も「重厚な物語の中で、私が演じるアレクセイはちょっと空気を変える担当でもあるので、上級生の方々と受け身なだけではない芝居をしたい」と08年、総決算となるこの舞台に全力を傾けている。

 「水さんや、ゆみこさん(彩吹)とはこのお芝居に入る前から自分の意見を言ったりできる環境を作ってもらえていて…。本当のお兄ちゃんみたいな存在(笑)。だから、このお芝居が決まった時も不思議な縁を感じたし、だからこそ、結果を舞台で見せないと」と使命感も漂わせた。

 入団から8年、ここまで順調に歩を進めてきた。1年目の冬、同期の中で1人しか選ばれない阪急電鉄の初詣でポスターのモデルを務め、その愛らしいルックスで注目を集めた。「ベルサイユのばら」「エリザベート」とタカラヅカを代表する2作で新人公演主役を務め今春、新公を卒業した。

 「新人公演を客席から見る側になった、というのは自分の中で大きいですね。アドバイスする立場なんだけど、新公を一緒に頑張ってきた後輩が舞台に出てる姿を見るとまだ完全に“上級生”っていう気分にもなれなくて…」と微妙な心の内を明かした。

 しかし、タカラジェンヌにとって新公を卒業することは大きな区切りのひとつ。「新公時代にもいろんな役をさせていただいたのでそういうものを肥やしに、これからはイチから自分で作って舞台で結果を出さないと。少しでも形にしたい」と、ますますの飛躍を誓った。

 ◆ミュージカル「カラマーゾフの兄弟」 舞台は19世紀、ロシア帝政末期のころ。強欲なカラマーゾフ家の当主フョードル(未来優希)には先妻の子ドミートリー(水)、後妻の子イワン(彩吹)とアレクセイ(沙央)という性格のまったく違う3人の息子がいた。
 ある日、父は息子たちに一切の財産を相続させないことと、再婚することを告げる。再婚相手はドミートリーが愛するグルーシェニカ(白羽ゆり)だった。ドミートリーはフョードルを殺してしまいたい衝動を抱え、父の家に向かうが…。
 男女の愛憎、家族、宗教、貧困などざまざまな問題を描き1880年に出版された長編小説。現代社会が抱える問題にも通じることから、日本では亀山郁夫氏の新訳(全5巻)が100万部を突破。「蟹工船」が再びブームとなっているのと同じように出版界では話題になっている。

 ☆沙央(さおう)くらま 3月3日生まれ。東京都中野区出身。明星学園中を経て01年「ベルサイユのばら2001」で初舞台。同年、阪急電鉄の初詣でのポスターモデルを務め、06年2月「ベルサイユのばら」で新人公演初主役を果たしオスカルを熱演。昨年5月「エリザベート」の新公でトートを演じた。身長168センチ。愛称「コマ」。

「GO!GO!宝塚」は毎週月曜、日刊スポーツ(大阪本社発行版)に連載中です。

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