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満を持した瀬奈トートと将来性の凪七シシィ 宝塚月組で『エリザベート』

2009年2月10日

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写真月組主演男役の瀬奈じゅん(右)と宙組の凪七瑠海=『エリザベート』制作発表で

写真トートの衣装で「愛と死の輪舞」を歌う瀬奈じゅん=『エリザベート』制作発表で

 ミュージカル『エリザベート』は96年の初演以来、再演を重ねる宝塚歌劇団の人気演目。演目ラインナップの発表前から、「今年ももしかしたら」と楽しみにしていた人も多いのではないだろうか?そんなファン期待の『エリザベート―愛と死の輪舞(ロンド)―』が今回、月組によって上演されることになった。トップスターとして4年、円熟期を迎え、同作品でルキーニ、エリザベートを演じてきた瀬奈じゅんが満を持してトートに臨む。そしてエリザベートには、宙組の男役で入団6年目の凪七瑠海がオーディションで大抜擢(ばってき)。2月9日に都内のホテルで行われた制作発表会では、この驚きのキャスティングに注目が集まった。

 『エリザベート』は、オーストリア皇后エリザベートの波乱の生涯を描いたウィーン生まれのミュージカル。宝塚版は黄泉の帝王トート(死)を主人公に、エリザベートへの愛と苦悩の物語として定義しなおした。今度で7度目の上演だが、作品そのものの変わらない質の高さと、毎回組・役者が変わることで生まれる新鮮さ、この2つの要素が、通算170万もの観客動員を記録する大きな理由にもなっている。潤色・演出は初演以来、小池修一郎が一貫して手がけている。

今回のトートのビジュアルは?気になる歌は?

 『エリザベート』で毎回注目が集まるトートのビジュアル。「男役をやっている以上、憧れの役」と言う瀬奈のトートは、小池のリクエストという赤いメッシュに、瀬奈自身が考えたという編み込みがポイントだ。また、濃い紫を用いた衣装は、前回の月組『エリザベート』で、瀬奈が好きだと言っていたことを、衣装の有村淳が覚えていて、デザインしてくれたという。『スカーレット・ピンパーネル』のポスターも手がけたシンガポールのカメラマンLeslie Keeによるスチール写真は、口元を手で隠した瀬奈トートがミステリアスだ。

 一方の凪七は、170センチの上背に小さい顔と抜群のプロポーションで、生来の愛くるしい容貌と、男役の毅然さと、6年目という若さとが混ざり合った、若木のようなエリザベートだ。瀬奈トートと同様、口元を扇で隠した少し不機嫌そうな表情のスチール写真が個性的。エリザベートに抜擢されたことについて、ようやく少しずつ実感がわいてきたところ、男役の自分を選んでいただいたのだから、一本芯の通った強い女性として演じたいと話した。

 そして、衣装よりも気になるのが「歌」。制作発表では、コスチュームをつけた瀬奈と凪七が登壇し、まずトートのソロ「愛と死の輪舞」、続いてトートとエリザベートのデュエット「私が踊るとき」が披露された。瀬奈は余裕を感じさせる歌いっぷり、凪七は高音が美しく響き、『エリザベート』にふさわしい歌唱力。東京宝塚劇場で千秋楽を終えたばかりの瀬奈と、名古屋・中日劇場に出演中の凪七が、初めて歌をあわせたのは、凪七が上京した8日の晩のことだそうだが、「回数を重ねればいいというわけではない、心を通じ合わせ、互いに高めあうことが大事だと、凪七の目を見て感じた」という瀬奈の言葉どおり、息のあった、心のこもったデュエットだった。

演出家・小池修一郎が語る、月組『エリザベート』の見どころ

 組・演者が毎回変わることで、特に意図しなくても、その都度違う持ち味の『エリザベート』になる。今回の瀬奈トートには、“死”としてのカリスマ性は既に十分あるので、シシィ(エリザベート)を恋し、煩悶するトートの“パッション”の部分を期待している。

 凪七が抜擢された理由について、月組でも歌劇団全体でもオーディションを行った結果、歌唱力と、エリザベートという女性にふさわしいプロポーションと生命力を持った凪七が浮上、意外性のあるキャスティングということも含め、最終的に決定された。

 凪七は入団当初から歌唱力の評価が高く、声も高めで、まだ男役として完成してない分、女性としての音域もカバーできるのではないか。その将来性に賭けたい。

 今の凪七は、少女シシィのように、先に待ち受ける苦難や挫折の実感がない。これからそれらを日々経験していく凪七のシシィと、今回、満を持しての瀬奈トートがぶつかりあったとき、おのずときしみが生まれるだろう。

フランツに霧矢、ルドルフは遼河・青樹・明日海の役替り

 そのほかの主要キャストも発表があった。エリザベートの夫、皇帝フランツ・ヨーゼフは霧矢大夢、エリザベートを暗殺したルイジ・ルキーニに龍真咲、エリザベートの息子ルドルフは、遼河はるひ・青樹泉・明日海りおが役替りで演じる。

 ミュージカル『エリザベート―愛と死の輪舞(ロンド)―』は5月22日から6月22日まで宝塚大劇場で、7月10日から8月9日まで東京宝塚劇場で上演される。宝塚大劇場公演の前売り開始は4月18日、東京公演は6月7日から。

◆『エリザベート―愛と死の輪舞(ロンド)―』  脚本・歌詞/ミヒャエル・クンツェ、音楽/シルベスター・リーバイ 潤色・演出/小池修一郎

《宝塚大劇場公演》:2009年5月22日(金)〜6月22日(月)(詳しくは宝塚歌劇団公演案内へ)/《東京宝塚劇場公演》:2009年7月10日(金)〜8月9日(日)(詳しくは宝塚歌劇団公演案内へ

写真写真拡大左)瀬奈じゅん(右)と凪七瑠海/右)凪七瑠海(左)と演出の小池修一郎=『エリザベート』制作発表で

写真写真拡大左)瀬奈じゅん(右)と凪七瑠海=『エリザベート』制作発表で/トートを演じる瀬奈じゅん=Photo Leslie Kee(C)宝塚歌劇団


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