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欽ちゃん、本気 伊勢の時代劇テーマパーク再生請負人に

2008年11月22日

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写真欽ちゃん演出の舞台「笑え亭」で熱演する役者ら=三重県伊勢市二見町の伊勢・安土桃山文化村写真欽ちゃんの演出で旗揚げした「笑え亭」の舞台。客席からは笑い声とおひねりが飛んだ=三重県伊勢市二見町の伊勢・安土桃山文化村写真伊勢・安土桃山文化村を「日本のブロードウェーにしたい」と夢を語る萩本欽一さん=三重県伊勢市

 夢は日本のブロードウェー――。入場者の減少が続く時代劇のテーマパーク「伊勢・安土桃山文化村」(三重県伊勢市二見町)の再生に、タレントの萩本欽一さん(67)が立ち上がった。笑いと人情味あふれた施設をめざし、10月に「村長」に就任すると、熱心な演技指導や入場者を楽しませるアイデアを次々と実現させている。欽ちゃん、本気です。(松永佳伸)

 営業が終わった午後6時すぎ、芝居小屋に役者たちが集まる。月に数回、欽ちゃんがけいこをつける日だ。

 欽ちゃんの演出には台本がない。動きやセリフはその場で決まるため、懸命にメモを取る。

 伊勢・安土桃山文化村は、開業した93年には約180万人が訪れたが、昨年は約10万人に落ち込んだ。

 かつて「欽ちゃん劇団」に在籍し、開村当時に欽ちゃんに演技指導を受けた役者の1人が窮状を告白した。欽ちゃんは「何か手伝おうか」と、無報酬の村長になった。

 客が親しみやすいようにとの欽ちゃんのアドバイスで「ちょんまげワールド伊勢」という愛称をつけた。「高すぎる」と指摘された入場料(大人4900円)は2500円に。花魁(おいらん)の芝居をしていた小屋は、コメディータッチの時代劇をみせる「笑え亭」にリニューアルした。

 別の芝居小屋では、お裁きの場面をコントに。客が代官役になって台本を手に舞台へあがり、役者を体験できる。

 40人の従業員と役者から企画を募った。客に疲れをとってもらう「肩もみ所」ができ、花を買ってもらい、名前のプレートと一緒に植えてもらう企画も始まった。売り上げの一部は企画した人がもらえる。欽ちゃんのアイデア「おもしろ権利制度」だ。

 時間があれば村内を回り、客に声をかけ、記念写真や握手に応じるのも欽ちゃん流。従業員には「いつも楽しそうにしていなさい。気遣いを忘れちゃだめ」と助言する。

 「ぼくの人生の中で夢がかなわなかったことは一度もない。本当にわくわくしている」と話す欽ちゃん。野球に次ぐ夢は、8年後に村に劇場を30軒つくり、日本のブロードウェーにすることだ。

 午後11時まで営業し、全国から出演希望のタレントが集まり、観光客で街全体がにぎわうという青写真を描く。「芸能生活の集大成として何とかしてやり遂げたい」

    ◇

 萩本欽一さんに、伊勢・安土桃山文化村の再生への熱意を聞いた。

 ――どうして応援しようと思ったのですか。

 人が来ないテーマパークには誰も手を貸さない。ダメなものを何とかしてダメじゃなくなるようにする。それがおもしろい。

 ――どんな施設に変えますか。

 「ひと」を見に来るテーマパークがあってもいい。それにはまずは人づくりから。地元の人たちに好かれることから始めたい。頑張っている役者の姿を見れば、みんなの心が豊かになる。

 ――村長としての意気込みを聞かせてください。

 笑いならどこにも負けない。これは商売じゃなく、ぼくの夢物語です。欽ちゃんの夢にみんなが乗って、応援してくれる人が集まれば楽しくなる。小さなテーマパークから旋風を巻き起こしたい。

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