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〈第7回朝日舞台芸術賞 寺山修司賞〉北村有起哉さん

2008年2月14日

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写真北村有起哉さん

 「CLEANSKINS/きれいな肌」はパキスタン系英国人の劇作家S・カーンの新作を世界初演した舞台。英国の小さな町で母と暮らす青年サニーを演じ、3人家族の激しい議論から世界の矛盾を射抜くような迫真の演技を見せた。

 サニーはサッカー選手の道を断たれ、移民排斥運動に熱中している。そこに家出した姉がイスラム教徒に改宗して戻り、姉弟の出生の秘密を暴露する。

 「何千年も続く宗教や民族間の争いが底にあるドラマ。平和に育った僕らとは感情のマグマの質が根本的に違う。加えて、欧米人は感情をすべて言葉で表現する。複雑な思いをどうせりふに込めるか。難しく、おもしろい作品でした」

 長身をねじ曲げて怒りを爆発させたかと思えば、視線で母親への甘えを表現。観客の共感を生む役作りだった。「まず太い輪郭を描き、細かい陰影をつけ、赤い血が脈打つ人間をめざした。千秋楽には『お前、もう行っちゃうのか』と、役との別れが寂しかった」

 昨年はすべて趣の異なる4本の舞台に出演。脂がのる中での受賞に「新人扱いされなくなる今後が大切」と気を引き締める。

 受賞作の上演直後、父の北村和夫が世を去った。生前に見てもらえなかった舞台はこれだけだ。その巡り合わせを「独り立ちして頑張れよ」という無言の励ましだと感じている。

   *

 きたむら・ゆきや 74年生まれ。98年に舞台「春のめざめ」と映画「カンゾー先生」でデビュー後、幅広い作品で活躍。07年秋の「欲望という名の電車」では父の当たり役・スタンリーに初挑戦した。2月3日まで「新・雨月物語」に出演中。

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