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上半期の候補決まる 第8回朝日舞台芸術賞・中間選考会

2008年7月24日

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 第8回朝日舞台芸術賞(朝日新聞社主催、テレビ朝日後援)の08年上半期の候補が決まった。今回、舞踊賞を新設し、舞台芸術賞をアーティスト賞に衣替えした。現代舞踊の受賞作に、再演を支援するキリンダンスサポート(最高1千万円)がキリンホールディングスから贈られる。

■グランプリ

 「焼肉ドラゴン」(新国立劇場制作、鄭義信作、鄭・梁正雄共同演出)▽「春琴」(世田谷パブリックシアター+コンプリシテ制作、サイモン・マクバーニー構成・演出)▽「Nameless Hands〜人形の家」(Noism08制作、金森穣演出・振り付け)

 演劇の2作は海外との共同制作。在日韓国人の昭和史を描く「焼肉ドラゴン」が「普遍的でリリカル」と絶賛された。英国人演出家が谷崎の世界を舞台化した「春琴」は、実験的な演出などが評価された。「人形の家」は思索性と完成度の高さで選ばれた。

 なお、グランプリ候補作の出演者とスタッフは、自動的に他の賞の候補になる。

■アーティスト賞

 シルビア・グラブ(「レベッカ」の演技)▽土田英生(「なるべく派手な服を着る」の作・演出・出演)▽平幹二朗(「リア王」の演技)▽文学座(「長崎ぶらぶら節」「ダウト」「風のつめたき櫻かな」)▽松本祐子(「あの大鴉、さえも」「鳥瞰図」の演出)▽酒井はな(「カルメン」の演技)

 俳優では、老王を力強く演じた平、「目の演技」と歌唱力でグラブが選ばれた。6人兄弟の家族を描いた土田、熱く丁寧な演出の松本に加え、多彩な演目を成功させた文学座も候補に。酒井は「新鮮さと風格」が注目された。

■舞踊賞

 「空白に落ちた男」(小野寺修二構成・振り付け・出演)▽小島章司(「越境者」の演出・振り付け・出演)

 「空白に落ちた男」は新たな表現を追求した点が評価された。フラメンコの小島には長年の功績も含めた総合的な評価を、との声があがった。

■寺山修司賞

 栗田桃子(「父と暮せば」の演技)▽三浦大輔(「顔よ」の作・演出)▽村松卓矢(「ソンナ時コソ笑ッテロ」の振り付け・演出・美術・出演)

 「清新な活躍」だったのが栗田。原爆で父を失った娘役で「一つの花を咲かせた」。三浦は主宰するポツドールの新作で「現代の病理をえぐる作家」と評された。大駱駝艦の村松には「舞踏の次世代の継承者」との評価もあった。

■秋元松代賞

 風間杜夫(「恋する妊婦」「コーヒーをもう一杯/霧のかなた」の演技)▽謝珠栄(「タン・ビエットの唄」「Calli〜炎の女カルメン」の演出・振り付け)▽平淑恵(「長崎ぶらぶら節」の演技)▽波乃久里子(「婦系図」の演技)

 「娯楽性と芸術性を兼ね備えた演劇」が対象。ひとり芝居5部作を完結させた風間、「文学座の和物の伝統を継ぐ存在」とされた平、新派120周年で当たり役に臨んだ波乃らベテランが選ばれた。謝は、オリジナルミュージカルの再演と新作が評価された。

    ◇

〈選考委員〉

大笹吉雄氏  演劇評論家

太田耕人氏  演劇評論家、京都教育大教授

小田島雄志氏 演劇評論家、東京大名誉教授

佐々木涼子氏 舞踊評論家、東京女子大教授

西堂行人氏  演劇評論家、近畿大教授

山田洋次氏  映画監督

山野博大氏  舞踊評論家(以上50音順)

粕谷卓志   朝日新聞社編集担当

畑山美和子  朝日新聞東京本社文化エディター

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