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人の命触発できる仕事 女優 石原さとみ

2008年8月22日

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 くりんくりんとコマのように回転している。上演中の「幕末純情伝」(つかこうへい原作・脚本・演出)で、新撰(しんせん)組の女・沖田総司役に挑戦。舞台は2回目だが、つかの演劇世界で息づいている。

 「この沖田は内側にどんなことが眠っているか分からない魅力的な女性。今まで全く経験したことのないタイプの役です」

 幕末の志士や新撰組が新時代への夢や恋を燃焼させる。時空はとっちらかって、敗戦日本の醜怪さや憲法を叫ぶ場面なども挿入されるが、沖田、坂本龍馬らを女とした点に工夫がある。

 「つかワールドって、知っている人にもよく分からないものと言われ、私も最初そうでした。役の気持ちを一本につなげて、心で動き、心で言葉を発しないと、見終わった後のすごさが伝わらない」

 子供の産声も、断末魔の陰惨な叫びと重なり、虐げられた者の屈辱と怨嗟(えんさ)が粗暴に積もってゆく。笑いでかき回した敗北者の哀悼歌が流れる短い場面の連続。舞台は「花札メンコ」のように進んでいく。「見たくない、聞きたくない、引いてしまう世界。でも私、お客様と同じで、引いていて、いいと思う」

 製作発表の会見で、つかは「彼女を色っぽくしていく夢がある」と言った。劇中歌の矢沢永吉の「時間よ止まれ」をため息まじりのささやき声で歌い、エクスタシーを感じながら人を斬(き)るシーンは、その成果か。

 「新しい自分の発見かも。好奇心が旺盛で、未知のことを知る喜びを感じています」

 デビューから映画、テレビで様々な役を演じてきた。「女優として目覚めたのは、看護師の役をした時でした。見た人が『ナースの夢を与えてくれてありがとう』と伝えてくれた。すごい、女優って人の命を触発できる仕事なんだ、と思った」

 出るもの、ほとんどが主演。日本航空の実在の女子バスケット部を素材にした新作映画「フライング☆ラビッツ」でも主演する。「恋も仕事も友情もバスケも全部欲張って手にしたい前向きな女の子の役。自分に共通しているところが多いです」

 「地に足をつけ、出会う人から多くを吸収し、一生懸命に前に進めば、良い女性に、良い女優になれると思う。支えは、周囲の人たち。だから、みんなに感謝しています」

(文・米原範彦、写真・今井一詞)

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 いしはら・さとみ 86年生まれ。03年、映画「わたしのグランパ」でデビューし、映画、テレビで活躍。「幕末純情伝」は東京・新橋演舞場で27日まで。その後、福岡(9月6、7日)など巡演。映画「フライング☆ラビッツ」は9月13日から公開される。

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