「桜の園」の舞台
京都で活動する劇団「地点」がチェーホフの「三人姉妹」「桜の園」を東京・吉祥寺シアターで連続上演する。主宰の演出家三浦基は「歴史ある古典に向き合い、その延長上の最先端に立つ。それが前衛の本質」と語る。
「かもめ」「ワーニャ伯父さん」を加えた4大戯曲をレパートリー化し、各地で上演するプロジェクトの一環だ。35歳の三浦は青年団演出部の出身。戯曲の精髄を絞りだすような象徴的な演出が特色で、「桜の園」で07年の芸術祭賞新人賞を受けた。
劇作と演出を兼ねる劇団主宰者が多い日本で、演出専業の三浦は珍しい存在だ。「同世代で劇団を持つ演出家はまだ少ない。孤独です」と笑い、こう続ける。「従来のリアリズムを踏襲するだけでは小津安二郎や成瀬巳喜男の名画を超える舞台はできない。映画監督の作家性に負けない表現を演劇で追究したい」
装置や衣装、映像、俳優の発語法に至るまで、作品ごとに工夫を凝らし、様々な表現を試みる。「戯曲の物語性にたやすく回収されたくない。一方で、世界中で上演されてきた古典が生々しい感触を持つドラマとして立ち上がる瞬間を見せたいとも思う」
「三人姉妹」は11〜14日、「桜の園」は18〜22日。神西清訳。各4千円。劇場(0422・22・0911)。