新作を振り付ける金森穣=新潟市のりゅーとぴあ
新潟市民芸術文化会館(りゅーとぴあ)の専属ダンスカンパニー、「Noism(ノイズム)08」が05年に初演した「NINA―物質化する生け贄(にえ)」の海外公演版を17〜21日に横浜市の赤レンガ倉庫1号館で上演する。専属契約は13年まで3年延長されたばかり。「動く前の身体の可能性を追求した」(金森穣・舞踊部門芸術監督)意欲作は、カンパニーの新展開の起爆剤となるか。
「NINA」は昨年、チリ、米国、ブラジル、ロシアで、今年も米国と韓国で公演を行った。舞台上の制約もあって初演時の美術や装置をそぎ落とした結果、新しい作品として生まれ変わった。
「素の身体にこだわっていた割に、体以外の物に頼っていたことがわかった。これまで気づかなかった、作品自体が内包するドラマを発見することもできた。作品は生ものなんですね」と金森。
「NINA」では、舞踏を思わせるようないびつな動きが連なり、それまでの金森のスタイリッシュな振りと違ったイメージで注目された。これは日本の伝統芸能独自の下半身の動きを取り込んだ演出家・鈴木忠志の舞台に触発されてだという。
「動く前の身体こそ舞踊の根源的なものを開示していると、前々から思っていた。でも、実際に鈴木さんの舞台で動いていない役者がすごいエネルギーで迫ってくるのを見て、それが実感できた」
物質化する生け贄としての身体は、制度化されたものとしての男女の身体のありようだったり、権力の下で記号化されたものだったりと、様々な表象に彩られている。「NINA」は、それをあぶり出す金森の身体論でもある。
一方、Noismの活動期間の延長が決まった。07〜10年の第2サークルの後、10〜13年の第3サークルが続く。
活動延長の決定に伴い、新潟市芸術文化振興財団からNoism専属の職員が付くことになり、スタッフルームも与えられる。さらに来シーズンは研修生カンパニーを設け、教育や公演活動を行う。
「予算が増えない中で、芸術監督が代わっても制度が残り、新しい芸術創造のため、他の自治体の参考になればうれしい」と金森。
全席指定5500円。電話03・5458・0548(アンクリエイティブ)
(上坂樹)