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新作「あれから」上演中 熟年夫婦 ケラ流に

2008年12月15日

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写真ケラリーノ・サンドロヴィッチ

 劇作家・演出家のケラリーノ・サンドロヴィッチ(ケラ)の新作「あれから」が東京・三軒茶屋の世田谷パブリックシアターで上演されている。ケラが主宰する劇団「ナイロン100℃」を離れて自作を上演するユニット「KERA・MAP」の第5弾。2組の熟年夫婦の倦怠(けんたい)をめぐる、大人のドラマだ。

 野田秀樹の「NODA・MAP」をもじったこのユニットは「劇団ではできないことを自分発信でやる場所」。05年の前作では、オーディションで選んだ30人余の若手俳優と組んだ。「粗削りでもいいからと力業でつくった。劇中で全裸になった役者も多く、劇場(吉祥寺シアター)側も対応が大変だったと思う」

 「あれから」では一転して人気と実力を兼ね備えたベテラン俳優らを迎えた。余貴美子と渡辺いっけい、高橋ひとみと高橋克実がそれぞれ夫婦を演じ、妻同士が高校の同級生だった2組のカップルと、それを取り巻く人間模様を描く。「簡単にいえば、うまくいってなかった夫婦がうまくいくまでの話。要はメロドラマだが、それをどういう語り口で上演するか。余さんもひとみさんも『ここをそう解釈するのか』という驚きがあり、刺激になる」と話す。

 20年間近く途切れなく作品を発表してきたケラは、06年春から1年余り休筆し、演出に専念した。執筆を再開した昨秋以降、3時間半の大作「わが闇」や2本立ての「シャープさんフラットさん」などで充実ぶりを見せている。

 「父も祖父も55歳ぐらいで仕事ができなくなり、早く世を去った。自分も晩年に入った実感がある。あと10年仕事できるとして、やり残すことはないかという危機感に追われている」。ただ、ナンセンスな笑いにこだわってきた才人らしく、こうも語る。

 「重いものしか書けなくなると嫌だなと思い、折にふれて力を抜いて書いています。『あれから』も、楽しめる作品に仕上がったと思う」(藤谷浩二)

 萩原聖人、岩佐真悠子、山西惇ら共演。28日まで。電話03・5485・8886(キューブ)

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