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「全精神傾け和を極めたい」 能題材にダンサー・森山開次が新作

2009年2月3日

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写真「和物の探求は今後も続けたい」と森山開次=東京都内

 野生動物を思わせる動きで異彩を放つダンサー、森山開次の作品集が9日から15日まで東京・初台の新国立劇場小劇場で上演される。同劇場でこれまでに発表した「弱法師 花想観」「OKINA」に新作の「狂ひそうろふ」を加えた、能をモチーフにした作品群だ。「体力がピークの今、全精神を傾けて和のテーマを極めていきたい」と森山はいう。

 「弱法師 花想観」は03年、下村観山の日本画にインスピレーションを得て作った。盲目の若者の純な心根を研ぎ澄まされた感覚で演じ、ダンサー・加賀谷香(梅の精)と能楽師・津村禮次郎(父)とのコラボレーションも鮮烈な効果を生んだ。

 「言葉を封じられたダンサーがイメージを広げることで表現を獲得していく姿を、ハンディを背負う主人公の心象とダブらせたかった」と森山は振り返る。

 この時の津村との出会いが04年の「OKINA」で、さらに濃縮された表現につながっていく。能の「翁」での五穀豊穣(ごこくほうじょう)への「祈り」を人間の原初の「叫び」ととらえ、人間の祖霊としての動物の荒々しい動きを取り込んだ。

 「生命を受け継ぎ、次の世代にバトンタッチしていく流れを動物たちの叫びで表したかった」。森山と津村の動と静の絡み合いが、種子田郷の電子音楽を得て際立った。

 新作の「狂ひそうろふ」は、鼓の天才少年と権力者とのかかわりを描いた「天鼓」がモチーフ。森山は、この作品に芸術家の創作姿勢としての「狂」を見るという。

 「狂うとは我を忘れるのではなく、感情を乗り越え、より高次の場に表現を昇華させることだと思う。少年の霊は自分を殺した皇帝を恨まず、美しい音色を奏でることで彼らの目を覚まさせる」

 鼓に代わって、パーカッションのYAS―KAZがセネガルの4人のドラマーとともに紡ぐリズム、さらに津村の謡の加わる中で、森山のソロがどう爆発するか。(上坂樹)

     ◇

 9、10、13日が午後7時、11、14、15日が同3時開演。当日券あり。問い合わせは電話03・5352・9999(新国立劇場ボックスオフィス)。

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