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バレエと現代舞踊を結ぶ Noism、新国立劇場と新作

2009年5月25日

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写真拡大金森穣監督

■高度な身体技術を追求

 りゅーとぴあ新潟市民芸術文化会館の専属ダンスカンパニー、Noism09が新国立劇場(東京・初台)と共同制作した「ZONE〜陽炎(かげろう) 稲妻 水の月」を6月に新潟と東京で発表する。徹底的にクラシックバレエの身体技術を追求した踊りと、記号化しにくい不確かなコンテンポラリーの動きを並列する舞台。振り付けの金森穣・舞踊部門芸術監督は「両者の溝が大きい日本で、それを埋めるべきプロの身体を探りたい」という。

 第一部はクラシック・バレエの技法を基にした専門的身体を扱う「アカデミック」。金森自身、日本でクラシックバレエを身につけ、ヨーロッパのバレエ団で経験を積む中で、常にクラシックの技法を中心にすえてきた。その専門的技術だけがなし得る領域を提示したいという。

 「身体を突き詰めたプロのダンサーにしかできない高度で専門的な表現というものがあると思う。劇場専属のダンス・カンパニーとして恵まれた環境にいる我々は、常にこうした姿勢を基本にすえるべきだと思う」

 音楽はバッハの無伴奏バイオリンのためのパルティータ一、二番から。さまつな感情が入り込めないがっしりした構造に引かれたという。「余分なものをそいだ宇宙的な構造はダンサー一人ひとりが身体で向き合うには格好の音楽だと思う」

 第二部では一転、世界各地の民族音楽を用いて身体、感情が生み出す様々な関係を追求し、反アカデミックな動きを模索するという。「不確かな動きといっても実はとても難しい。赤ちゃんのような原初的身体を求めても実現するには高いハードルがある」

 二つの対照的な踊りを並列した背景には、長年抱き続けた日本のダンスの現状へのもどかしさがある。クラシックバレエを中心にしたシステムの中から多様なダンスを生んだヨーロッパに比べ、日本はそうした歴史を持たず、創作の基盤となる技法に不確かさを感じ続けてきた。

 「20世紀後半は多様な価値観で様々な動きが存在感を持ち、日本もその波の中で生きてこられた。だが、今はパリ・オペラ座がピナ・バウシュなどの作品を日常的に上演する時代。高度な身体技術なしでは生き残れないと思う」

 金森は第一部の作品に自ら出演する。

 新潟公演は6月5〜7日。電話は025・224・5521(りゅーとぴあ)。東京は同17〜21日。電話は03・5352・9999(新国立劇場ボックスオフィス)。(上坂樹)

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