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「ドリアン・グレイの肖像」主演の山本耕史 悪の華、大胆に繊細に

2009年8月23日

写真拡大山本耕史=高波淳撮影

 俳優の山本耕史が、21日開幕の「ドリアン・グレイの肖像」に主演する。19世紀英ビクトリア朝の作家オスカー・ワイルドが耽美(たんび)的な世界を追究した長編小説の舞台化だ。悪の華を咲かせる美青年ドリアンを演じる山本は「単に悪に徹するだけならホラー。彼の心の揺れや迷いも、きっちりと表現したい」と話す。

 美貌(びぼう)の青年貴族ドリアンに心を奪われた画家バジル(伊達暁)は情熱を込めて肖像画を描く。バジルの知人のヘンリー卿(加納幸和)に誘われ、ドリアンは悪徳の世界へ足を踏み入れるが、その美しさは変わらない。しかし、秘められた肖像画には驚くべき変化が起きていた……。

 これまでミュージカルで共同作業を重ねてきた構成・演出の鈴木勝秀から「一緒にストレートプレーを」と誘われた。ミュージカルや音楽劇への出演が多い山本にとって久々のせりふ劇だが、「僕の中では演じるという点は同じ。区別はない」と言い切る。

 「肝心なのは、観客の前に立ったときに、生々しい、ウソのない人間として存在すること」。この信条を胸にけいこに臨み、当初想像していた悪漢とは異なるドリアン像にたどりついたという。

 「ドリアンはどちらかというと巻き込まれ型の人間。ヘンリーの悪と欲望、バジルの常識と人間味のはざまで、気づいたら後戻りできなくなる」。「ロミオとジュリエット」になぞらえれば、ドリアンはロミオ、ヘンリーはマキューシオだと分析する。「ドリアンは周りの人々との関係で人間像がつくられる一方、突出したオーラも求められる。大胆であり、繊細でもある。とても面白い役です」

 こうして役と作品を丹念に研究するせいか、彼の演じる役は強い印象を残す。NHK大河ドラマ「新選組!」の土方歳三は異例の続編ドラマが作られ、時代劇「陽炎の辻」の坂崎磐音は第3シリーズまで放送。鈴木と組んだロックミュージカル「ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ」も再演を重ねた。演じる役が生きて、ひとり歩きを始める俳優といってもいい。

 「時代劇も外国の作品も、ある程度ルールを守れば想像力を存分に膨らませられるのが魅力。思い切り冒険して、華麗に演じたい」

 31日まで、東京・三軒茶屋の世田谷パブリックシアター。7千円、5千円。電話03・5432・1515(劇場)。(藤谷浩二)

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