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限界設けずに弾ける 神田沙也加

2010年1月22日

写真神田沙也加=郭允撮影

 ルルルルル……と歌をうたいながら取材の場に現れた。

 「電車の中でも気をつけないと歌っちゃうんです。舞台を見ている時には、せりふをいっしょにしゃべって、芝居に合わせて体も動かしてしまう。気持ち悪い観客ですよね」

 子鹿のように瞬発力のある演技と、伸びやかな歌声。ヒロインを演じるミュージカル「シー・ラヴズ・ミー」で、目を見張る好演をみせている。

 「役に引っ張られるタイプで、悲劇的な舞台に出演している時は普段も内向的になる。今回は明るい話なので、ストーリーとキャラクターに助けられて、すごく元気なんです」

 「シー・ラヴズ・ミー」(1963年ブロードウェー初演)はブダペストの香水店で働く店員たちの愛と交情をつづる。新人店員アマリア(神田)は会ったこともない文通相手に心を奪われているが、その相手とは実は険悪な仲の同僚ジョージ(藪宏太)だった。バーチャルな恋が現実の恋に変わってゆく過程を描く心温まるコメディーだ。

 「喜怒哀楽を思い切り表現できる役なので、限界を設けずに弾(はじ)けています。演技で気をつけているのは相手の言うことをよく聞くこと。全身が耳になったようにしていれば、敏感な反応が出てくる。後ろの客席まで届くスケールを心がけて演じています」

 2001年にSAYAKAの芸名でデビュー。04年にミュージカル「イントゥ・ザ・ウッズ」の赤ずきん役で初舞台を踏む。05年にいったん芸能活動を休止し、翌年、神田沙也加の本名で活動を再開した。

 母・松田聖子の歌唱力と、父・神田正輝の演技力の血を引いたのでは、と聞くと「そう言っていただけると……、よかったです」と顔をほころばせた。

 「両親とも、すごい人たち。そんな中で私なんかぜんぜん普通で、どうやっていこうかと思っていた。ミュージカルが好きだから、今後は舞台の仕事を中心にやっていきたい」

 “ミュージカル俳優”宣言だ。やってみたい役は「サウンド・オブ・ミュージック」のリーズル、「屋根の上のヴァイオリン弾き」のチャヴァ、「ダンス・オブ・ヴァンパイア」のサラ、「ルドルフ」のマリー……「死ぬほどあります」。

 貪欲(どんよく)な活力はとどまるところを知らない。

(文・小山内伸)

    ◇

 かんだ・さやか 1986年、東京生まれ。近年はミュージカル「グリース」「レ・ミゼラブル」に出演。今年は「ピーターパン」の出演が控える。「シー・ラヴズ・ミー」は31日まで、東京・日比谷のシアタークリエ。錦織一清演出。

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