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鬼才、人間ドラマ「アンナ・カレーニナ」をバレエに

2010年3月15日

写真拡大ボリス・エイフマン=東京都内

 新国立劇場バレエ団は、ロシア・バレエ界の鬼才ボリス・エイフマンが振り付けした「アンナ・カレーニナ」を21〜28日、東京・初台の同劇場中劇場で上演する。彼が芸術監督を務めるサンクトペテルブルク国立アカデミー・バレエ劇場で2005年に初演した力作だ。

    ◇

 「白痴」「巨匠とマルガリータ」「かもめ」……。エイフマンには文学を題材にした作品が多く、心理分析を通して大きなスケールでドラマを紡ぐ。人妻アンナの不倫の末の悲劇「アンナ・カレーニナ」では、日常に潜む狂気をあぶり出す。

 「テーマは愛欲の持つ暴力性。夫や子供を裏切って人間関係を破壊し、自ら命を絶つまでの女の業を導く。作品で問われる愛の三角関係は女性を巡る環境が変わっても、永遠のテーマであり続ける」

 緊密なドラマを支える最大の武器が、苛烈(かれつ)なほど激しいソロや群舞。特に群舞は物語の状況から登場人物の揺れ動く心理までをダイナミックに活写。「群舞が彼女を滅亡させる社会そのものを象徴する。新国の群舞に豊かな表現を期待したい」

 弦楽セレナード、交響曲第6番「悲愴(ひそう)」、幻想曲「フランチェスカ・ダ・リミニ」など、チャイコフスキーの名曲が心理ドラマを彩る。「チャイコフスキーの音楽は本源的な叫びを宿す。悲惨な場面で優雅な曲を使うなど、エモーショナルな対位法で効果を高める工夫もした」

 主役は自分のバレエ団のズミエヴェッツ(アンナ)、ヴォロブーエフ(カレーニン)、ガビシェフ(ヴロンスキー)らの組と、厚木三杏、山本隆之、貝川鐵夫ら日本人組のダブルキャスト。

 「厚木さんは愛欲におぼれて激しく変容するアンナの心理を表現できると直感して選んだ。夫のカレーニン役の山本君は貴族性もあり、心理のひだも表現できる人だ」と語る。

 ほかは、キティ役に堀口純(外国人組)と本島美和。

 21、26日が外国人組、22、28日が日本人組。27日は2組による2回公演。電話03・5352・9999(ボックスオフィス)。(上坂樹)

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