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男役の美学生かして 「戯伝写楽」大和悠河が着物で主演

2010年4月9日

写真ミュージカル「戯伝写楽」に主演する大和悠河さん=鈴木好之撮影

 すっくと背筋を伸ばした立ち姿が美しい。身長169センチ。スカートで踊っても華麗、和服姿もまた粋だ。

 オリジナルミュージカル「戯伝写楽」で絵描きのおせいを演じる。江戸時代の寛政年間、わずか1年弱の期間だけ活動して姿を消した浮世絵師・東洲斎写楽の正体に迫る物語だ。

 「写楽は謎の多い人物で、想像すればいろんな物語が作れると思う。女だったということもありえる。私たちなりの写楽を提示できたら」

 おせいは、目に映る刺激的な素材を寝食忘れて描かずにいられない。一説に写楽ではないかと言われている能役者の斎藤十郎兵衛(橋本さとし)、版元の蔦屋重三郎(山路和弘)らと組んで、ある企てに打って出る。

 「絵を描くことがすべての女性の役。一つのことに集中して他の生活に興味を持たない点では、宝塚時代に男役の美学を追求していた自分と重なる。熱い思いを持って演じたい」

 昨年、15年間男役を務めた宝塚を退団。女優としては、今年2月のミュージカル「カーテンズ」でかれんな若手女優を演じた。「初めての女性役だったのでスカートをはくのが楽しくてしょうがなかった。宝塚に入る前に戻ったかのようでした」

 そして2作目となる今回は、「女性として初めて着物を着られるのがうれしい」とにっこり笑う。

 「宝塚時代にモディリアーニや漫画家を演じたことがあるので、“絵描き”の経験はある。芸術家は太陽みたいな存在で、周囲は振り回されるが、自身はそれと関係なくしっかり自分を生きているところが魅力的」

 退団したら自由な時間が増えるかと思ったが、仕事が目白押しという。

 「次の公演に向けて役作りや洋服選びを考えてしまう。たまに時間があれば映画を見ます。以前は男優の演技を研究していたが、宝塚を辞めてからもつい癖で男ばかりを見てしまう。いけない、女性を見なきゃって思い、自分でも笑っちゃいます」

(文・小山内伸 写真・鈴木好之)

    ◇

 やまと・ゆうが 東京都出身。1995年、宝塚歌劇団で初舞台を踏み、2007年に宙組の男役トップ。「戯伝写楽」は17日まで東京・表参道の青山劇場で。電話03・3504・2011(東宝芸能)。大阪でも公演。

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