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リコール隠し事件モチーフ「空飛ぶタイヤ」ドラマ化

2009年1月16日

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 WOWOWが独自制作の「連続ドラマW」第3弾として、実際にあった自動車会社のリコール隠し事件をモチーフにした社会派小説「空飛ぶタイヤ」をドラマ化する。自動車会社が大口スポンサーの民放では扱いにくいテーマで話題を呼びそうだ。3月29日から毎週日曜夜10時に5話で放送される予定。

 小説は02年に横浜市で起きた三菱自動車製大型トレーラーの脱輪で母子3人が死傷した事故や、三菱自によるリコール隠し事件が下敷きとされる。元社長や元幹部が逮捕され、企業の順法精神が問われた。元三菱銀行員の池井戸潤さんが小説化し、07年1月の直木賞候補にも挙がった。

 ドラマはスリリングに展開する。脱輪したトレーラーの製造会社は運送会社の整備不良が原因と判断、警察も運送会社を家宅捜索した。だが、整備は適切で、不審を抱く運送会社社長が真相究明に立ち上がる。製造会社内でも一部社員がリコール隠しに気が付き、週刊誌記者も取材を進める。

 原作はフィクションだが、実際の事件をモチーフにしたサスペンス。スポンサーからの広告に左右されない有料BS放送のWOWOWならではの企画と言えそうだ。ただ、青木泰憲チーフプロデューサーはドラマ化の理由を、事件性より、原作に優れたエンターテインメント性があったため、とする。

 「事件では企業のコンプライアンス、モラルが問われた。どこの会社でも起こりうる事件。中小企業の男が大企業相手に立ち向かう人間ドラマで、ドキュメンタリー、サスペンスもあって泣ける」

 今月10日からロケが始まった。主人公の運送会社社長を演じる仲村トオルは「大きな組織や多数派に対し、小さな組織や少数派、個人が、信念を持って発言していく勇気、泣き寝入りしない根気、長い物に巻かれない強さ。そんなことが主人公を通じて伝わればいい」と話す。

 製造会社で経営陣の組織的なリコール隠しに気付き、経営幹部の追い落としを図る社員役を田辺誠一、同期の社員役に袴田吉彦、系列財閥グループの銀行員役を萩原聖人が演じる。製造会社常務役の國村隼、運送会社古参社員役の大杉漣、刑事役の遠藤憲一といった個性派俳優たちが脇を固める。

 池井戸さんも「実力派の役者さんたちが、果たしてどんな演技で登場人物たちのキャラクターを作り、魂を入れてくれるのか、今からわくわくしている」と期待を寄せる。

 連続ドラマWは、民放では扱いにくいエッジの利いた企画を採り上げようと、WOWOWが昨春から始めたドラマ枠。「空飛ぶタイヤ」(仮)は、「パンドラ」「プリズナー」に続く第3弾として制作される。(大室一也)

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