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「黒部の太陽」また昇る 世紀の難工事、40年ぶり映像化

2009年3月19日

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 フジテレビは21、22日の2夜連続で、ドラマ「黒部の太陽」を放送する。石原裕次郎と三船敏郎が主演した68年の映画で知られるが、「世紀の難工事」と言われた黒部ダム建設を再現するには、膨大な費用と労力が必要。映像化は日本テレビの連続ドラマ以来、実に40年ぶりになる。今回は香取慎吾、小林薫の配役で挑む。セットと特撮も見どころになりそうだ。

 土ぼこりの中で男たちが黙々と作業する。「お芝居というより、工事現場そのもの」と香取は言う。東京・調布のスタジオに、幅約6メートル、長さ27メートルという半円形トンネルが再現された。内部を支えていた鉄骨組みには、あえて木材を用いて着色することで年季や重みを出した。

 河毛俊作監督が「土木屋の戦争だ」というように、現場は土と水との戦い。スタジオの地面を1メートル掘り下げ、水槽状に底を作った。工事中に滝のような水が湧(わ)き出し、トンネルが崩れるというクライマックスの「破砕帯シーン」では、全員が脚の付け根まで水につかって撮影。使った水は約600トンに上る。

 関西電力や熊谷組などに残る資料を参考にした。セットは現物に近づけるのが原則だが、映像になった時の効果も考えなければならない。下から撮った時の天井までの「高さ」を表現するために、足場の板をメッシュ状にするなど、随所に工夫を凝らした。美術担当の根本研二さんは「映画には負けたくなかった」と話す。

 香取が演じる倉松仁志役のモデルとなった笹島信義さんも撮影現場を訪れ、「51年ぶりにトンネルに入ったようです」と漏らした。栃木県に設営した東京ドーム1個分の広さのオープンセットと合わせ、美術制作だけで3カ月以上。雪山でのロケを含む撮影は4カ月に及んだ。総制作費は「3カ月が1クールの連続ドラマ、2本分」という。

 鈴木吉弘プロデューサーは「一人ひとりが、日本の将来を自分が照らすのだという意識を持ち、自分を犠牲にしてもやり遂げようとする時代の空気を、リアルに今に伝えたい」と思いを込めた。(柏木友紀)

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