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ラジオドラマ存続模索 ギャラクシー賞応募減少

2009年7月21日

 テレビ、ラジオの優れた番組を表彰するギャラクシー賞から、民放AM局のドラマ作品の応募が消えた。放送をとりまく環境が変わり、制作機会が減ったラジオドラマだが、放送局側は制作手法は残していこうと工夫をしている。

 ギャラクシー賞のラジオ部門に応募があったドラマは、05年度27作品、06年度20作品、07年度15作品、08年度8作品と減少傾向が続く。民放のAM局に限ると05年度7作品、06年度8作品、07年度5作品で、08年度はついにゼロになった。

 「制作費が通常の番組の2倍はかかるので、つくりにくいのだろう」。NPO法人「放送批評懇談会」の理事で、ギャラクシー賞ラジオ部門の選考委員長を務める橋本隆さんはそう話す。安上がりなトーク番組を中心に据えざるを得ない放送局の「台所事情」があるという。

 聴取者のドラマ離れも指摘される。放送評論家の山家誠一さんは「ドラマは長時間、考えながら聞く必要がある。インターネットなど気軽な情報が発達し、日常生活になじまなくなった」。音質で劣るAMは特に厳しい。「ステレオ放送で高音質のFMは、音楽にセリフを乗せる形でドラマをつくれる。AMはパーソナリティーの話芸が中心になりがち」と指摘する。

 文化放送で制作部長などを務め、ドラマづくりに長年かかわってきた長谷川実さんは「どうドラマをつくるのか、みんな悩んでいる」と話す。ギャラクシー賞の応募ゼロも「答えを模索するための空白だと思う」。

 ドラマの手法を生かそうとする試みは続いている。

 文化放送は、ミニコントにドラマの手法を採り入れている。平日午前の生ワイド番組「ごぜんさま〜」では、5分間のコーナー「おきらく野村係長」がミニコント仕立てだ。パーソナリティーの野村邦丸さんが「ごぜんさま商事」のダメ係長に扮し、同僚へのねたみなどサラリーマンの心の声をコミカルに聞かせる。ベテラン社員から若手が音響技術を学ぶ勉強会も開かれているという。

 ラジオ日本は、ドラマに携わる人材を育てる番組を放送する。放送作家さらだたまこさんが司会を務める木曜深夜放送の「カフェ・ラ・テ」。脚本家や放送作家に話を聞き、作家養成セミナーの情報も流している。

 放送作家の田村隆さんは番組で「ドラマで実感したことは、オチを決めて、オチに向けてどう展開するか」などの実体験を伝えた。さらださんは「聴取者の優秀な作品をドラマ化し、映画のようにみんなで聞くイベントをしたい」と話している。(高津祐典)

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