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バンキシャ問題、日テレに検証番組放送を勧告 BPO

2009年7月30日

 日本テレビの報道番組「真相報道バンキシャ!」が虚偽の証言をもとに岐阜県に裏金があると誤って報じた問題で、NHKと民放でつくる第三者機関、放送倫理・番組向上機構(BPO)の放送倫理検証委員会は30日、裏付け取材が不十分で放送倫理違反の程度は重いとして、日テレに検証番組をつくるよう勧告した。同委員会が放送局に勧告をするのは初めて。

 問題の番組は昨年11月23日に放送された。岐阜県の土木事務所が架空工事を発注し、裏金づくりをしているという元土木建設会社役員の話を匿名で紹介したが、これはすべて元役員の作り話だった。

 勧告によると、(1)裏金口座の不自然な住所など虚偽を見抜ける事実をつかんでいたのに不審に思わなかった(2)取材班幹部の日テレ社員と取材をした制作会社社員との間で取材結果を判断する責任があいまいだった(3)水曜夜の打ち合わせ後に本格的な取材を始めて日曜の放送に間に合わせることに無理があった――などと問題点を指摘した。

 また、後に流した訂正放送についても、番組が男のうそで迷惑を被った被害者だったと釈明しているようだ、と批判した。

 勧告は、十分な裏付け取材が行われず真実だと信じる根拠を欠いたまま放送したことを考えれば、放送倫理違反の程度は重いと指摘。再発を防ぐ具体策を盛り込んだ検証番組の制作や訂正放送の内容の再検討を求めた。

 記者会見した弁護士の川端和治委員長は「『バンキシャ!』の制作体制、取材時間では本来扱えないはずの情報を無理やり放送したことに問題がある」と述べ、反省を促した。

 この問題では、番組放送後の岐阜県の抗議で、日テレが元役員に再取材。元役員がうそをついていたことを認めたため、3月1日に訂正放送を流した。

 日テレの久保伸太郎社長(当時)は3月中旬に引責辞任し、報道局長らが懲戒処分を受けた。元役員は虚偽報道で岐阜県職員に不必要な確認作業をさせたとして偽計業務妨害罪などに問われ、今月23日に岐阜地裁多治見支部で懲役3年執行猶予5年の有罪判決を受けた。(大室一也、高津祐典)

     ◇

 ■BPO放送倫理検証委員会 放送局への調査権を持ち、放送倫理の問題について「審議」して「意見」をまとめる。虚偽の疑いがある事案は「審理」扱いとし、「見解」や、放送局に内容の順守を求める「勧告」を出す。審理入りしたのは今回が2件目。1件目は期限切れチョコレートの再利用に絡むTBSの報道で、見解を示した。委員は弁護士や大学教授ら10人。放送による人権侵害を扱う放送人権委員会(97年設置)、青少年向け番組を扱う青少年委員会(00年設置)に続き、07年に設けられた。関西テレビの情報番組「発掘!あるある大事典2」の捏造(ねつぞう)問題が直接のきっかけだった。

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