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TBSに倫理違反で勧告 BPO委、イモ畑収用放送巡り

2009年8月8日

写真「サンデー・ジャポン」の問題になった場面

 道路用地の強制収用に保育園が園児を「盾」にして抵抗した、と誤解される内容をTBSテレビが放送した問題で、NHKと民放でつくる第三者機関、放送倫理・番組向上機構(BPO)の放送人権委員会は7日、「保育園の名誉を傷つけた疑いが強く、重大な放送倫理違反があった」と認定。放送倫理と人権に配慮した「しかるべき措置」をとるようTBSテレビに勧告した。

 勧告では、TBSが行った訂正放送についても不十分だったと指摘。あるべき内容として4条件を示した。

 問題になったのは昨年10月19日放送の情報バラエティー番組「サンデー・ジャポン」。道路建設のため大阪府内の保育園のイモ畑を強制収用した大阪府職員に対し、園児たちが畑に並んで抗議しているように見える映像を流した。だが、園児の映像は強制収用の前日に撮ったものだった。

 また、強制収用をめぐる訴訟が係争中だったのに、判決が出ていると誤って伝えた。

 保育園を経営する社会福祉法人の理事が抗議し、TBSは11月2日の同じ番組内で、事実の誤りが判明したときに放送法で義務づけられている訂正放送を流した。だが、理事は納得せず、「悪質な捏造(ねつぞう)だ」として放送人権委員会に審理を申し立てていた。

 勧告は、「故意に事実をねじ曲げたとまではいえない」ものの、誤った印象を与える結果になったと認定。番組制作にあたって映像を撮影した日付などを示す「報道のイロハ」が欠けていたと批判した。

 訂正放送についても「内容は不十分。名誉感情の回復も果たしていない」として(1)視聴者に放送の誤りを知らせ、正しい事実を伝える(2)視聴者に誤報をおわびする(3)放送で被害を受けた人におわびの気持ちを伝える(4)被害を社会的に回復する――の4点が満たされるべきだったとした。

 勧告は放送人権委員会が示す最も厳しい判断。「重大な放送倫理違反」を理由とした例は委員会が97年にできて以降、今回が3件目。(赤田康和、村瀬信也)

 TBSテレビ広報部の話 勧告の内容を真摯(しんし)に受け止め、今後の番組作りに生かしていきたいと考えております。

     ◇

 〈訂正放送の内容〉 番組の最後に番組担当のアナウンサーが「保育園側が園児たちを現場に連れてゆき、並ばせたかのような表現がありましたが、そのような事実はありませんでした」と述べた。「強制収用の取り消しを求めた訴訟が地裁で棄却された」と誤って伝えたことも取り上げ、「収用裁決の取り消し訴訟に関しては、まだ裁判所の判断が下されていません」と述べた。最後に、園児の件とあわせて「関係者の方々にご迷惑をおかけしました。おわびして訂正いたします」と謝罪した。

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