現在位置:
  1. asahi.com
  2. エンタメ
  3. 映画・音楽・芸能
  4. テレビ・ラジオ
  5. 記事

悩む親へ道しるべに 「ハッピーバースデー」ドラマ化

2009年11月17日

写真:木村佳乃(前列右から2人目)、大橋のぞみ(同3人目)らドラマの出演者=寺下写す木村佳乃(前列右から2人目)、大橋のぞみ(同3人目)らドラマの出演者=寺下写す

 我が子を愛せない母親と、母親に愛されない苦しみで声を失ってしまう幼い娘の葛藤(かっとう)と和解を描いたドラマ「ハッピーバースデー」が、21日午後9時からフジテレビ系で放送される。原作は同名の小説で、コミック版も合わせて150万部超を売り上げたベストセラー。ドラマも、子育てに悩む親たちの道しるべとなりそうだ。

 原作は、教育カウンセラーの青木和雄さんと作家の吉富多美さんの共著。97年に出版され、アニメ映画にもなった。テレビドラマ化は初めてだ。母親の藤原静代を木村佳乃、娘のあすかを大橋のぞみが演じる。

 ドラマは、青木さんが教育相談で出会った親子の実話がもとになっている。

 あすかは小学4年生で、のどに青いあざがある。静代に冷たくされるたびに、言いたい言葉をのみ込み、のどをギュッとつねって、心の痛みに耐える癖があるからだ。「産まなきゃ良かった」と静代に言われた日から、ショックで声が出なくなってしまう。

 静代が娘を愛せない背景には、幼いころ、両親が病弱な姉の看病に付きっきりだったことがある。「親に愛してもらえない」「死にたい」と感じていた。愛された記憶がないせいで、わが子が生まれても愛し方が分からないのだった。

 ドラマでは、通訳をしている静代の上司、あすかの小学校の担任、長野県にある静代の実家のご近所など家族以外の人たちが、一定の距離を置きつつも、静代とあすかの関係を案じて支えになろうとする。

 「親が孤立を深めないよう、一緒に子どもを見守るのが社会の役割でもある」と青木さんは強調する。

 ドラマは、フジテレビ開局50周年記念の3夜連続企画「探そう! ニッポン人の忘れもの」の2夜目。

 中村百合子プロデューサーは「特殊な親子関係として描くのではなく、日本人が忘れかけた思いやりや、野山や田畑といった原風景の中で、悲しみから解放されていく家族を描きたかった」という。

 静代と同じように、子育てに悩んでいる親は少なくない。自分の理想を我が子に押しつけようとしたり、他の家の子と比べて違いがあると焦りを感じたりする例もある。

 「愛するとは、相手を知ること。自分の尺度を持ち出す前に、子どもの立場を想像し、じっくり話を聞くことが大切だ」と青木さんは話す。

 吉富さんも「抱きしめる、手をつなぐ、という行為でも、心が解きほぐされる。わが子のぬくもりを、自分の肌で感じ取ってみてほしい」と、親たちにアドバイスしている。(寺下真理加)

検索フォーム
キーワード:


朝日新聞購読のご案内