現在位置:
  1. asahi.com
  2. エンタメ
  3. 映画・音楽・芸能
  4. テレビ・ラジオ
  5. 記事

イラスト・口語多用…バラエティー番組にBPO意見書

2009年11月17日

 放送倫理・番組向上機構(BPO)の放送倫理検証委員会は17日、テレビのバラエティー番組について、性的表現や内輪話などが視聴者のテレビ離れを招いていると指摘し、番組づくりの見直しを求める意見書を日本民間放送連盟に通知した。「さァ、イッてみようっ」「これはレッドカード、即退場」など、くだけた口語を多用する異色の文体で、制作現場の若手に共感してもらえるよう工夫した。

 意見書では、バラエティー番組を「古い秩序や権威を笑い飛ばし、常識や社会通念を揺さぶってきた」と評価した上で「相当数の視聴者が不快感・嫌悪感を持ち、反発する問題点がある」と指摘。

 具体例として(1)性的表現などいわゆる「下ネタ」(2)いじめや差別(3)芸人同士の内輪話やバカ騒ぎ(4)わざとらしい笑い声など見え透いた手法(5)死を笑いごととして扱うなど生きることの基本を粗末に扱う――の5点をあげた。

 改善策としては、NHKと民放全体で議論、検討した上で倫理上の指針を定めることなどを提言した。

 バラエティー番組については、視聴者の苦情が多いことを受けて9カ月にわたって審議。常識と非常識、ウソと真実の境界線上で表現する持ち味を守るため、倫理基準を機械的にあてはめなくてもすむ方法を探った。

 意見書の原案は従来型だったが、全面的に書き直され、委員の一人でマンガ家の里中満智子さんが描き下ろしたイラストも交えた「バラエティー番組風」の異色の意見書となった。

 意見書は「このあと、すぐッ」「ふーっ」「では、CMです。ハイ、BPOの」といった口語表現を多用。

 番組について「芸人やアイドルのアドリブと瞬間芸、はしゃぎぶりとノリのよさ、才能と才覚にお任せということなのだろうか。それだけのことなら、バラエティーが昨今の制作コスト削減、お手軽・安上がり番組の尖兵(せんぺい)に使われている、というにすぎないのではあるまいか」と厳しく論評した直後、「いやー、ごめんごめん。きついこと言っちゃった。だって、これってバラエティーだからさ」と続けるなど、制作者の視線に寄り添おうと心がけた。

 視聴者が社会に抱く閉塞(へいそく)感を受け止め、「バラエティーが堂々と切り込んで、息苦しい世の中をひっくり返してほしい」と励ましの言葉も盛り込んでいる。(赤田康和、松田史朗)

    ◇

 広瀬道貞・民放連会長の談話 前例のない全く新しいスタイルで、バラエティー番組の制作者に対する熱いメッセージを感じる。制作者レベルにまで範囲を広げて幅広く議論を深めていく。

検索フォーム
キーワード:


朝日新聞購読のご案内