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韓国人ファン、秋田に殺到 ドラマ「アイリス」効果

2010年4月21日

写真:突然現れ、韓国人観光客を驚かせるなまはげ=秋田県男鹿市の男鹿真山伝承館突然現れ、韓国人観光客を驚かせるなまはげ=秋田県男鹿市の男鹿真山伝承館

写真:イ・ビョンホンさんが着たなまはげの衣装の前で記念撮影をする韓国人観光客=秋田県男鹿市のなまはげ館イ・ビョンホンさんが着たなまはげの衣装の前で記念撮影をする韓国人観光客=秋田県男鹿市のなまはげ館

 韓国で昨秋に放送された人気テレビドラマ「IRISアイリス」のロケ地となった秋田県に、韓国人ファンが押し寄せている。低迷していた観光地をにぎわせ、一時は運休が検討されたソウル便も上昇気流に乗せた。21日から日本でも地上波放送が始まり、関係者は「冬ソナ」現象で日本人客が多数訪れた韓国の逆パターンとして観光客増を期待している。

■気になるなまはげ

 同県男鹿市の観光施設「なまはげ館」。なまはげを前にカメラに笑顔を向ける韓国人観光客。こんな風景が、韓国の大手旅行会社がロケ地をめぐるツアー旅行を始めた昨年11月以降続いている。

 ドラマの主役は、日本でも人気の俳優イ・ビョンホンさん。なまはげはイさんが着た衣装だ。大学生のソン・ヒョウチュンさん(20)は「ドラマで(なまはげを見て)『何あれ?』と気になっていた。ビョンホンは変な衣装を着てもやっぱり格好いいわ」。

 同館への韓国人観光客はこれまで数えるほどだったが、昨年末から今年3月末までに約1700人が訪れた。仲村一晃支配人は「ウォン安円高で韓国の観光客は見込めなかったが、驚いている」と話す。

 ドラマは、韓国の制作会社が「日本の雪国を撮りたい」とロケ地を探していたところ、秋田県と観光地の人々が無料で宿泊先や交通手段を提供する約束をして選ばれた。

■国際線の搭乗客最高

 ロケ地ブームで上昇気流に乗ったのが、県内唯一の国際便(秋田―ソウル線、週3便)だ。2001年の就航以来、年平均の搭乗率が5割を割るなど低迷が続き、10年秋以降の運航継続が危ぶまれていた。しかし、昨年11月以降、利用者は急増。今年1月には利用者6075人(前年同月比3298人増)、韓国人搭乗客4819人(同3500人増)と史上最高を記録した。大韓航空は1、2月は座席数が倍の大型機(約300席)を投入した。

 「冬のソナタ」ブームの時とは逆の現象だ。冬ソナが日本で放送されて以降、ロケ地の韓国・春川(チュンチョン)市に女性を中心に多くの日本人客が訪れた。秋田のロケ地も「この機を逃すまい」と工夫を凝らす。

 仙北市のレストラン「ORAE」には、韓国人観光客が月約100人訪れる。イさんがドラマで食べた「地鶏のグリルと野菜の盛り合わせ」が看板メニュー。観光客から「もっと辛く」と要望があったため、ソースにコチュジャンやキムチを加えた。韓国語のメニューも作った。

■ゲレンデ名にも「IRIS」

 仙北市の田沢湖スキー場は2月、滑走コースを「IRISゲレンデ」と名づけた。横手市観光協会は、ドラマの中でデートシーンで使われた横手城前のかまくらを、行事が終わった後に復活させ、3月上旬まで展示した。

 県も韓国語通訳ボランティアガイドの研修を始めた。会社員、自営業、主婦ら約120人が参加した。県観光課は「これをきっかけに海外観光客の受け皿を整えたい」と期待する。

 雑誌「韓流ぴあ」の田中英樹編集長は「韓流ドラマはストーリーがわかりやすい。台湾、シンガポール、タイ、中国などでも人気で、韓流ドラマのロケ地をうまく誘致すれば、アジア全体の観光客を呼び込める可能性がある」と話している。(笠井哲也、矢島大輔)

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