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アパホテル、大阪市内でも耐震強度不足

2007年02月14日13時35分

 アパグループが経営するホテルなどの耐震強度偽装問題で、大阪市は14日、同市阿倍野区の「アパホテル天王寺駅前」(地上14階、地下1階建て、181室)で耐震強度不足が見つかった、と発表した。1月下旬に強度不足が発覚した京都市のホテル2棟と同様、田村水落設計事務所(富山市)の水落光男・1級建築士が構造設計を手がけていた。市は同グループに対し、是正計画の提出と補強工事を指示した。

写真耐震強度不足が判明した「アパホテル天王寺駅前」=14日午前、大阪市阿倍野区で

 市によると、強度不足が見つかったのは同ホテル2階にある鉄骨コンクリート製の大型の梁(はり)2本。市が再計算したところ、震度5強程度の中規模地震で損傷しないことを定めた建築基準法に照らして必要な強度の66%しかないことが判明した。特に接合部が弱く、市側は「建物全体を支える重要な梁だが、中規模地震で大きな損傷を受ける恐れもある」と指摘している。

 市の事情聴取に対し、水落氏は計算ミスを認めたが、強度不足は否定し、資料や参考文献を示して反論していた。市住宅局の担当者は「矛盾点に対して納得できる回答が少なかった。もっと注意深く設計すれば、強度不足は防げたはずだ」と説明。ただ、偽装の有無については「計算に誤りは多いが、悪意は見あたらず、偽装でないと考えている」としている。水落氏が手がけた同市内のアパグループのマンションは調査の結果、「問題なし」と判断した。

 同ホテルは05年5月、民間検査会社の日本ERIが建築確認し、06年8月に開業。同グループは耐震偽装問題を受けて3月から営業を停止する予定だったが、この日、急きょ休業を決めた。

 水落建築士は14日、報道各社の取材に対し、「確認申請当時の構造計算ソフトでは問題がなかったが、更新したソフトで改めて計算すると問題が生じた。ただ、施工時に設計より強いコンクリートなどを使っており、強度は十分と考えている」と話した。

 同グループの高層建築物をめぐっては昨春、水落建築士が関与した埼玉、千葉両県のマンションで構造設計書の差し替えが発覚し、国土交通省がサンプル調査を自治体に要請。その後、京都市のホテル2件でも耐震強度不足が見つかり、補強計画が進められている。国交省は水落建築士が関与した15都道府県の全物件を調査するよう各自治体に依頼し、14日中に調査状況を報告するよう求めていた。

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