首都圏のマンションなどの耐震強度偽装問題で、マンションを施工した木村建設(熊本県八代市)は25日、同社の東京支店長(45)が個人的な営業経費確保のため、構造計算書を偽造した姉歯秀次1級建築士(48)に、同社への架空の請求書の発行を依頼し、会社からの送金を個人口座に還流させていたことを明らかにした。弁護士を通じて出した木村盛好社長名の文書で発表した。
文書によると、姉歯建築士の取引先の支店長が姉歯建築士からリベートを得ていたと報道されたことから、木村建設が東京支店長に問いただした。それによると、東京支店長は「リベートを要求したり金を支払わせたりしたことは一切ない」と否定。一方で、「経済設計を求めたことはあるが、鉄筋を減らせなどと圧力をかけたことは絶対ない」と話したという。架空請求書の発行回数や送金の金額、時期などについては触れていない。
同社の木村社長は文書の中で、「東京支店長が求めた経済設計は、あくまでも建築基準法を遵守(じゅんしゅ)することが大前提」としている。
東京支店長は79年入社、91年に取締役、02年から現職。同社によると、姉歯建築設計事務所が構造計算をし、同社が施工した物件は少なくとも34件。最初の施工は96年という。
姉歯建築士は、国土交通省の24日の聴聞会で、同省が指摘した他社を含む21棟すべての書類偽造を認めたうえで、マンション開発会社や施工会社の3社の実名を挙げ、うち1社については「書類を出したところ、『鉄筋の数をもっと減らせ』と言われた」などと説明していた。