首都圏のマンションなどをめぐる構造計算書の偽造問題で、姉歯秀次1級建築士(48)が偽造した書類に基づく設計とされた建物21棟の全容がわかった。建築主は5社に限られ、12棟が東京都千代田区の不動産会社の物件。施工業者も熊本県に本社のある中堅ゼネコンに集中しており、不正のあった建物は、特定の業者がこの建築士に構造計算を委託していた実態が明らかになった。
国土交通省は今のところ、千葉県船橋市と川崎市にあるマンション2棟を除いて建物名を公表していない。耐震性の低下が確認された段階で明らかにするとしている。
東京、千葉、神奈川の14市区にあるマンション20棟の建築主は4社で、いずれも不動産会社。内訳は、ヒューザー(東京都千代田区)=12棟(うち未完成5棟)▽シノケン(福岡市、今年10月に「シノハラ建設システム」から社名変更)=4棟(同0棟)▽サン中央ホーム(千葉県船橋市)=3棟(同1棟)▽東日本住宅(東京都新宿区)=1棟(同1棟)。
ほかに京王電鉄(東京都多摩市)が東京都中央区に建てたホテル「京王プレッソイン茅場町」1棟があった。
ホテルを含む14棟はすでに完成しており、マンション13棟の総戸数は約470戸にのぼる。
国交省やヒューザーによると、同社の物件の多くは「木村建設」(本社・熊本県八代市)が設計や施工を請け負っており、木村建設を通じて姉歯建築士を紹介されたという。ヒューザーは「建築確認をした民間検査機関から10月末に報告を受けるまで偽造を知らなかった」という。
シノケンや京王電鉄も木村建設に施工を任せており、「姉歯が構造計算をしているとは知らなかった」(シノケン)などとしている。
木村建設は東京都の事情聴取に対し、「仕事が速いので姉歯を選んだ」と説明。同社は19日、「(姉歯建築士に偽造を)暗黙にも指示したなどということは絶対にありません」とする木村盛好社長名のコメントを出した。