耐震偽装が判明した各地のビジネスホテルを開業指導したコンサルタント会社「総合経営研究所」の幹部が、木村建設の子会社の平成設計に、鉄筋量などを減らすよう直筆の書類で具体的に指示していたことがわかった。総研が経費削減を主導していることを示す内容で、民主党の馬淵澄夫議員が入手し、14日の衆院国土交通委員会での証人喚問で取り上げた。総研の内河健所長は書類について「知らない」としたが、構造計算の専門家は、指示された鉄筋量では強度不足に陥る可能性が高いと指摘している。
この日の証人喚問では姉歯秀次元建築士ら4人が証言。姉歯元建築士は、木村建設の篠塚明元東京支店長を名指しして、鉄筋の量を減らすよう圧力があったと指摘した。喚問を受け、全容解明に向けた警視庁などの捜査に焦点が移る。
馬淵議員が入手したのは、ホテル建設に絡み、総研の四ケ所猛・チーフコンサルタントから平成設計の担当者にファクスで送られた書類で、総研の便箋(びんせん)で4枚。この1、2年につくられたもので「1FL、2FLの柱寸法 1000×1000 36―D32?大きすぎる」と記されていた。1、2階の1メートル四方の柱に直径32ミリの鉄筋を36本使うのは多すぎるとの意味とみられる。
さらに書類では、別のホテルは同じ太さの柱に関し「20―D25〜22―D25(直径25ミリの鉄筋を20〜22本使うとの意味)で済ませている」とし、「もう少し経済的に納めようとする気持ちで構造担当者は設計してもらいたい」などと具体的に指示していた。
20―D25という鉄筋の太さと本数について、ある1級建築士は「鉄筋コンクリートの10階建て前後の建物なら、直径25ミリを使う可能性は極めて低い。強度不足が考えられるためで、普通は29ミリか30ミリ強をもっと多く使う」と述べた。
また、書類には柱への鉄筋の配置のイラストをまじえ、「4隅の主筋をタバネ配筋にすれば、4本は減らせる」とする記述もあった。内河所長は喚問で、書類について調査する意向を示した。
一方、馬淵議員は、平成設計が03年5月に、同社本来の組織表とは別に「SGホテル建設計画組織表」を作っていたことも指摘した。組織表では内河所長をトップに、ナンバー2が平成設計の幹部、設計の構造の欄に「姉歯設計」とあった。
馬淵議員は、03年には内河所長をトップに姉歯元建築士の構造設計まで貫く構図ができていたとして、「利益追求一辺倒の総研のやり方が偽装の仕組みを生み出した」と語った。
姉歯元建築士から鉄筋の量を減らすよう圧力を受けたと名指しされた篠塚元支店長は、「偽造について一切関与していません。鉄筋量は法律の範囲内で経済効果を会話することはありますが、強く圧力をかけたことはありません」と否定した。木村建設の木村盛好社長は「姉歯さんとの関係はあまり存じていません」と語った。
内河所長は「鉄筋を減らせと言ったことも、(木村建設から)相談を受けたこともありません」と語った。