耐震強度偽装事件で、マンション建築主のヒューザーが営業活動を停止し、会社は住民への被害補償だけを行う組織に縮小すると決めたことがわかった。小嶋進社長はすべての個人資産を提供して会社の資産ともども公開し、社員には再就職先をあっせんするという。17日に衆院国土交通委員会で行われる証人喚問で表明すると小嶋社長は話している。
同社が16日までにまとめた「被害者救済に向けた指針」は(1)会社と小嶋社長の資産を公開し、すべて被害者救済に充てる(2)営業活動をただちに停止し、被害者救済のため最小限の組織に再編(3)住民に連絡協議会を作ってもらい、その合意のもとで救済策を実行する(4)弁護士らで専門家のチームを結成し、強度偽装事件の責任のありかを明らかにして損害賠償請求し、すべて被害者救済に充てる――などとしている。
ヒューザーには建築主として瑕疵(か・し)担保責任があり、住民に補償しなければならないが、補償方針は二転三転。住民たちは不信感を募らせ、一部は同社の破産を申し立てる方針を決めている。
小嶋社長は「(今回の方針は)6人の弁護士に頼んで決めた。これまでとは覚悟も透明性も全く異なる」と話している。
同社の弁護士の一人は「現在のヒューザーの最大の資産は、偽装を見逃した確認検査機関と監督責任がある国への損害賠償請求権だ。破産だと損害賠償請求訴訟を起こすにも、裁判所の許可が必要で補償が進まない。会社を存続させて住民救済に専念するのが最良の道だ」と説明している。