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偽装マンション建て替え、初の合意 川崎・溝の口

2006年03月10日19時44分

 耐震強度が偽装された川崎市高津区のマンション「グランドステージ(GS)溝の口」(24戸)の建て替え計画がまとまり、住民たちが10日発表した。民間業者を活用するのが特徴で、現状と同じ7階建てとし、部屋も現在とほぼ同じ広さにする。国土交通省は建て替えを都市再生機構に委託し、各部屋の面積を狭くするなどして再建する素案を示しているが、今回の建て替え案では住民の追加負担を国交省の素案より、1世帯あたり1000万円程度軽減できるという。建て替え対象の11棟の中で再建計画がまとまったのは初めて。

図

マンション再建費用の比較

 国交省もこの再建計画を歓迎している。耐震偽装に巻き込まれた住民たちの間には「素案は追加負担が多すぎる」という思いがあり、国交省は住民の負担を今回の再建計画並みに抑える第2次の素案をまとめている。都市機構を使わない再建案は、他のマンションの建て替えにも影響を与えそうだ。

 建て替え対象の11棟は、姉歯秀次元建築士の偽装で耐震強度が0.5を下回る建物。マンションごとに所在地の自治体と建て替え計画を話し合っている。対象となる住民は計309世帯。

 GS溝の口は川崎市と住民、民間コンサルタントの3者が協議して独自の再建案をまとめた。

 住民側によると、市は国交省の素案と違ってマンションの土地を買い取らず、民間業者に依頼して建て替える。100平方メートルの部屋に入居する世帯の追加負担は平均で2000万円以下になると見込んでいる。

 国交省の枠組みだと、建て替えの事業主体は自治体で、住民は自治体にいったん土地を売り、再建後に買い戻す。今回の再建計画ではあくまで住民が主体となって建て替える形をとる。

 すでに民間業者の選定に入っており、8日に開いた説明会には10社が出席した。3〜4カ月で事業者を選び、事業計画を確定させたい意向だ。

 廊下やエレベーターなど共有部分の整備や調査設計は国の支援策を利用し、国と市から補助を受ける。素案と差が出るのは住民が負担する住居部分などの工事費で、都市機構の見積額よりも1世帯あたり1000万円近く圧縮することができた。市の担当者は「事業者同士が競争し合う民間市場の相場で見積もった」と説明する。当初の素案は十分な時間をかけずにつくったことなどから、工事費の見積額などが結果的に高くなった側面があったとみられる。

 都市機構が1月に住民に示した再建案は、100平方メートルの部屋に入る世帯で追加負担は2800万円ほどとなっていた。部屋の面積を現状の8〜5割に狭くすることで負担を圧縮する案も含まれていた。

 川崎市の担当者は「個人財産を自治体が取り壊して建て替えるという国の枠組みは問題が多い。再建後に買い取れない世帯が出たら、赤字を税金で穴埋めしなくてはならない」と話している。

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