現在位置 : asahi.com > ニュース特集 > マンション耐震強度偽装 > 記事 ここから本文エリア

新たなマンション耐震不足発覚 浅沼建築士が計算 小樽

2006年04月18日22時21分

 耐震強度偽装問題で、北海道小樽市にある賃貸マンションの耐震強度が基準値の54%程度しかないことがわかり、施工した大手ゼネコン「鹿島」(東京都)は18日、補強工事のために199戸の全住民に転居を求めることを明らかにした。構造計算は、すでに複数のマンションで耐震強度を偽装していたことを認めている浅沼良一・2級建築士が担当していた。昨年11月に耐震強度偽装問題が発覚して以降、一度にこれだけ多くの住民に退去を求めるケースは初めて。

写真

耐震強度不足が確認された「小樽ベイサイドシティ7、8」=北海道小樽市で

 北海道は浅沼建築士が関与した物件が118件あるとして耐震強度の確認を続けているが、今回のマンションは調査対象に入っていなかった。道は建物の所有者などに再調査を要請する意向だが、浅沼建築士による偽装の被害がさらに広がる可能性も出てきた。

 耐震強度不足が判明したのは同市築港にある「小樽ベイサイドシティ7、8」(10階建て)。99年に完成、賃貸マンションとして199戸が貸し出されている。強度が不足していたことは鹿島と小樽市が同日、記者会見して公表した。

 それによると、鹿島は設計を札幌市の1級建築士に発注。浅沼建築士がその孫請けとして構造計算をしていた。同社が今年3月上旬に再計算をしたところ、マンション上層部の耐震強度は0.74、下層部は0.54で、基準となる1.0を下回っていることがわかった。

 地震の揺れに耐えるための支えになる壁の窓や扉などの開口寸法が実際よりも過小入力されていた。鹿島は「震度5強程度の地震では倒壊することはない」としている。

 所有している民間業者から鹿島がマンションを買い取っており、今後、補強工事を行う。工事は約4カ月かかる見通しだという。18日夕から住民への説明会を始め、5月末までの退去を求めるとともに、転居費用や転居後、補強工事が終わるまでの間、新しい住居の家賃が現在より高ければ、その差額も負担すると説明した。買い取りについて同社は「責任を持って対応するため」としている。

 国土交通省のまとめでは、姉歯秀次元建築士による耐震強度偽装で、これまでに震度5強程度の地震で倒壊するおそれがあるとして入居している住民が退去を求められたのは分譲マンション11棟の計309戸と賃貸マンション7棟の計197戸。最大で1棟67戸だった。

 浅沼建築士は同日、朝日新聞社の取材に対し、「このマンションでは構造計算書を偽装していない。(自分の)計算では基準値の1.0を超していた」と偽装を否定。再検査の結果、基準値を下回ったことについては「複雑な構造のマンションでなかったと記憶している。数値の入力の仕方が自分とは違うのではないか」と話した。

 一連の偽装問題で、大手ゼネコンが施工にかかわっていたのは、姉歯元建築士が構造設計をした京都府のホテル(鹿島)と大阪市のホテル(大林組)に次いで3例目。鹿島は「このような事態に陥ったことについて、関係各位に深くおわび申し上げます」とのコメントを出した。

PR情報


この記事の関連情報


ここから広告です
広告終わり

マイタウン(地域情報)

∧このページのトップに戻る
asahi.comに掲載の記事・写真の無断転載を禁じます。すべての内容は日本の著作権法並びに国際条約により保護されています。 Copyright The Asahi Shimbun Company. All rights reserved. No reproduction or republication without written permission.