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木造住宅の耐震審査、22年ぶり義務化 国交省方針

2006年09月01日10時30分

 耐震強度偽装事件を受け、建築確認制度の見直しを進めている国土交通省は、2階建て以下の木造住宅の建築確認の際、省略していた耐震強度の審査を、今年度中にも義務化する方針を固めた。東京の建売会社が建てた700棟近い木造住宅で強度不足が発覚したことなどから、特例扱いの廃止が不可欠と判断した。設計能力の劣る建築士の排除が期待される一方、負担が増える自治体や民間検査機関の業務に影響が出そうだ。

 市街地での家造りに必要な建築確認では、鉄筋コンクリート造りのビルやマンションは、構造の強さを確かめることが欠かせないが、小規模な木造住宅の場合、建築士による設計であれば、審査の省略が、建築基準法の施行令で特例として認められている。

 木造建築士制度の発足に伴い84年度から始まった措置で、2階建て以下や延べ面積500平方メートル以下、高さ13メートル以下の建物が対象。国交省の統計によると、昨年度は全国で約40万戸が対象になったとみられる。

 だが、今年6月、都内の建売会社が建築・販売した木造2階建て住宅681棟で、耐震強度不足が発覚した。また、中小工務店などでつくる日本木造住宅耐震補強事業者協同組合の調査でも、耐震強度の基準が厳しくなった81年以降に完成した住宅約2万4000棟を調べたところ、強度不足は62%にのぼったという。

 都内の建売会社の強度不足を見逃した民間検査機関は、建築確認の際、耐震強度の審査はしていなかったという。

 国交省は、被害が広がった背景には建築確認時の構造審査の省略があったと分析。年度内に政令を改正し、特例を撤廃することにした。

 姉歯秀次元建築士による耐震偽装事件では、ホテルやマンションの構造設計のずさんさを、自治体や民間検査機関が建築確認の際に見抜けなかったことが問題となった。再発防止のため、国交省は先の通常国会で建築基準法を改正し、中規模以上の建物の審査を厳格化したが、木造住宅の対策は手つかずのままで、耐震性の確保は事実上、業者任せだった。

 木造住宅の構造審査の義務化について、国交省は「木造住宅に対する消費者や関係者の信頼を取りもどすことが必要だと判断した」(幹部)としている。

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